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お見舞い
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チラッと壁に付いている時計に目をやれば、もうすぐ夕飯が運ばれてくる時間になる。
この格好は流石にまずいよね………?
うん。きっと何か変な誤解を招いてしまって、大舘さんに迷惑をかけてしまうかもしれない……
それだけは避けたい。
この心地良い空間に身を任せたままで居たいけど、そんな我儘言えないよね…………
でも、僕どうしてこんなに離れたくないんだろう?どうして体が震えないんだろう?どうして……………?
もしかして………?え、嘘……でも、僕は男で、大舘さんも男だよ………?
……あの2人もこんな気持ちで僕を見てたのかな……?
「………あ、あのそろそろ……」
「……ん。そうだね。ごめんね、ありがとう」
「…?僕、大舘さんにお礼を言われる様な事何もしてませんよ?」
「してるよ。加藤君は私を癒してくれる。加藤君は私の癒しだね」
「………え………ぼ、僕が癒しですか?」
「うん。とっても落ち着く。私は好きだなぁ~加藤君の事」
「………へ?え?」
「?どうかした?顔、真っ赤だけど大丈夫?」
(ぼ、僕ってば『好き』に反応し過ぎ!大舘さんはそんな事を思って言ってるんじゃないんだから!)
「だ、大丈夫です。それより、僕、今日、大舘さんに甘え過ぎて、全然お話し出来ませんでした。あんな事言わなかったら、もっと大舘さんの事知れたのに……ごめんなさい」
「良いんだよ。これで最後じゃないし、退院しても加藤君が会いたいって言ってくれるなら、今度はお互い色々話そう?ね?」
「………はい」
(また、会ってくれるんだ……こうやって自然と約束してくれるの嬉しいな……)
「あ!そうそう、これだけは言っておきたかったんだけど、気にし過ぎと考え過ぎはダメだよ。あれは、二人の意見で、加藤君が無理に変わろうとする事は無いんだからね。私は、今の加藤君だから好きなんだよ?」
「フフッ、はい。ありがとうございます。大丈夫です。僕は、僕のままでいます!!」
「うん。それが一番だよ」
「………………………」
「加藤君?」
「………………………」
「加藤君、大丈夫だよ。私が傍に居る。だから、ほら、笑って笑って!!」
そう言って大舘さんは僕の顔を指で笑顔に変形させた。
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