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お見舞い
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「ひゃ、ひゃんと笑いまふからや、やめひぇくらひゃい」
「ハハッ、ごめんごめん。つい、加藤君の顔を見てたらやりたくなってしまって」
「もう、酷いです!!でも、そうですよね。僕は、一人じゃないし、僕を支えてくれる人は傍に沢山居る。もう起きてしまった事はどうにも出来ないし、ゆっくり自分のペースで受け入れながら、時には誰かに頼る事も大切ですよね……」
「そうそう、そういう風に考えていけば良いよ。それと、加藤君は真正面から相手の気持ちを受け止め過ぎて、深く傷付いてる。そういう時は、少し違う角度から相手の気持ちを受け止めて考えてみれば、また違う考え方が出来て、自分が深く傷付かない様な考え方が出来ると思うよ。自分の気持ちを守る事も大切な事だからね」
「はい。ありがとうございます」
「お礼を言われる様な事は言ってないよ」
「でも、凄く心に残りました。今までそんな風に考えた事もなかったから…」
「そっか。少しでも加藤君の役に立てたなら良かったって、もうこんな時間か……」
「………そうですね……」
「…そんな残念そうな顔しないで……これが最後じゃないよ。また会おう?」
「………会ってくれますか?」
「何の為に番号交換したの?いつでも連絡して良いんだよ?」
「そうでした!交換してましたね。それじゃあ、また、連絡します!!」
「うん、やっぱり笑ってる顔の方が良いよ!じゃあ、また会おうね」
「はい」
「それじゃあ、今日はこれで失礼するね」
「はい。今日は、本当に本当にありがとうございました」
「さっきも言ったけど、そんなにお礼を言われる様な事はしてないよ。むしろ、もっと別の伝え方をしとけば、ここまで加藤君を傷付ける事はなかったんじゃないかと後悔してる……」
「そんな事無いです。僕が言った事だし、真実を隠されて話される方が、そっちの方が嫌です」
「そっか……でも、もう少し調べは続きそうなんだ。また何かあったら連絡した方がいいかな?」
「…………はい。それで何かが変わる訳じゃ無いですけど、僕は、ちゃんと真実を受け止めたいです」
「……分かった。じゃあ、何かあったら、必ず連絡するね。大丈夫。もう加藤君が傷付く様な事は無い筈だから。それに、あったとしても私が傍に居て、支えるから、だから、そんな不安そうな顔しないで」
「………そんなに不安そうな顔してますか?」
「え?あ、うん。そう見えるな」
「………ぼ、僕やっぱり……あ、な、何でも無いです!ごめんなさい。面会時間もうすぐ終わりなのに、引き留めてしまって………」
(駄目だなぁ……直ぐ甘え様としてる……しっかりしないと!!)
「い、いや、それは問題無いけど、か「はーい、加藤君〜夕飯持ってきましたよ~って、あ、すいません。お話し中でしたか?」」
「いえ、大丈夫です。もう帰りますので」
「そうですか。じゃあ、加藤君。ちゃんと食べてね」
「はい!ありがとうございます」
(タイミング逃したな……これじゃ聞けない……まだまだ話したい事は山程あるけど、今日はこれぐらいにしとかないと、私が持ちそうにないな……さっき言いかけた言葉も気になるけど、今日は、大人しく帰ろう)
「………それじゃあ、ご飯が冷めるのもあれだから、私は帰るね。またね、加藤君」
「……はい。ありがとうございました」
こうして大舘さんは帰って行った。
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