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76ー最終話ー
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数分後、エースのもとに連絡が入った。
「………………………そんなところに?!
わかった、すぐ行く!」
椅子に座っていた四人がガタッと立ち上がった。
「あの人の読みは当たっていたらしいですね。」
「見つかったのか?」
「どこなんですか?!」
エースは一息置き、場所を告げる。
「教頭の元秘密部屋……。
もうそこには誰もいないはずなのに、
電気がひかれているらしい。」
空が駆け出した。
「はやく行きましょう!!」
こうして五人は陸と海がいると思われる
部屋へと向かった。
バタバタと部屋の外が騒がしくなり、
陸と海は目を覚ました。
このとき二人はある程度予想していた。
”来たか……。”
”空くん……。”
そしてドアの鍵がガチャガチャと開かれ、
あの五人が入ってきた。
「空くん!」
「海さん!」
空が海に駆け寄り、ギュッとハグする。
「やっと会えた……!」
「そんなに僕がいなくて寂しかった?」
「……めっちゃ心配しました……っ!」
ありがとうと言い海は空の額にキスをした。
そんな二人の様子を微笑ましく見つめながら、
陸はエースに歩みよった。
「お前にしては来るのが遅かったな。」
「買いかぶりすぎです。探偵じゃないんですから。」
「ふっ……そうだね……。」
そう言うと陸は一歩下がり、深々と頭を下げた。
「空くん、三条くん、保科くん、エース、蔵本先生、
そして海。
たくさん迷惑かけてごめんなさい……。
オレ……いや僕はいつの間にか屈折した感情を
海に抱いてしまっていた。
僕のしたことは許されないことだと
重々承知している。
だから僕は退……」
と言おうとしたとき、空が陸の口の前に
指でバツの標をつくる。
そして海がチラと空を見てから陸の肩をポンとたたいた。
「僕たちは陸を許すよ。
だって……誰も悪くないから……!」
稔、蓮、エース、類も口を開く。
「大丈夫です。」
「僕たちがついてますから!」
「会長一人が守ってるなんて思わないでください!」
「これからまた頑張ればいい。」
その瞬間、陸のほほを
大粒の涙がつたい、床に絶えず落ちていく。
「ありがとうっ、
………僕を許してくれてありがとう………!」
海も泣きながら陸に寄り添った。
「泣き虫兄弟、復活だね……!」
数か月後………。
”卒業おめでとうございます!陸さん、海さん!”
”お二人が別れたと発表されときは
ビックリしましたが、相変わらずの
仲の良さでうらやましい限りでした!”
「あー、あれね。
僕が海にフラれちゃったんだよね~。」
”海さんが不良じゃないということに安心しました!”
「あれは陸と遊んでいただけなんだ。
ごめんね、騙すようなことをして……。」
桜が舞い散る時期の手前のとき、
松崎宮之原第三高校では卒業式が行われた。
陸と海の周りにはあっという間に
人だかりができた。すると遠くから
二人を呼ぶ声がした。
二人はひとだかりを抜け、
声のする方向へと向かった。
大きな桜の木の下に四人の生徒と
一人の教師が立っている。
「シャッターの準備OKですよ!」
「僕、空くんの横にいくー!」
「じゃあ僕は海のとなりー!!」
「うわぁっ、ちょっ、
こんなとこでキスしないで、海さん!あっ!」
カシャッ……
”陸さん、海さん卒業おめでとうございます……!
大丈夫です、みんな離れても
心はつながっているから……!”
校門の外から赤髪の青年が
はしゃぐ海と陸を見つめていた。
「…結局、誰も悪くなかったってことか…。」
「なぁ、輝ぅーもう行こうぜー。」
「おい、少しは気を使えよ、忘れたのか?
この学校は足利が通っていた高校だ。
本当なら今、足利もこの学校を卒……」
「うるせぇ……、もういいんだよ、
昔のことは……。……行くぞ。」
”俺もお前らと一緒に卒業したかったな……。”
「陸、海。
卒業おめでとう。」
FINE.
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