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「志朗、いきなりなんて事を……!」
「兄ちゃん、空気読めよ!」
「痛えっ!!」
時雨と鷲志が、全力で突っ込む。
「す、すまん、あまりに見事な平安顔なもんだから……」
「良く見てみなよ、お面だよ」
「どう見たってお面じゃねえかよ」
「……………………あ……」
落ち着いて見れば面だと気づくのだが、志朗は元々の性質もあり、見たまま、感じたままの言葉を口にする。
「……ん…………」
袿の中から小さな手が覗く。
まるで守弥を探すように動く手に引っ掛かったのだろう。
初雪のような銀髪がひと房、サラリとこぼれた。
「白髪……?」
「「銀髪だろうがッ!」」
再び時雨と鷲志が志朗に鉄拳を繰り出す。
「「…………………………」」
その場に微妙な雰囲気が漂った。
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