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舞い落ちる綿毛
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俺達以外には誰も居ない秘密基地で沈む夕焼けを眺めていれば、大地はほら、と何か握っている手を差し出した。
「ねえ見てよ、たんぽぽ」
それは通常の黄色い花弁の付いたたんぽぽではなく、子どもたちがよく吹き飛ばして遊ぶ綿毛のたんぽぽだった。
「小さい頃はこれでよく遊んだよねー」
「そうだな」
もちろんその遊びは俺達も例外ではなく、小さい頃はよく綿毛のたんぽぽを摘んでは息を吹き掛け、宙に舞うのを見ては楽しんでいた。懐かしい、と笑いながらあの頃と同じように大地はたんぽぽにふうっと息を吹き掛けた。綿毛がふわりと宙を舞い、風に乗って流されていく光景に目が離せない。
「綺麗だね」
「……ああ」
無邪気だったあの頃に戻ったような錯覚を覚えながら、夕焼けに向かって舞っていく綿毛を二人で暫く眺めていた。それは綺麗なはずの光景なのになんだか心苦しくて、俺は大地の手をぎゅうっと力強く握ってしまった。
(あの頃に戻りたいとかそんな馬鹿なことは思わないけれど、それでも今より輝いていたあの頃の俺達を、羨ましいと思うんだ)
突発的に書きたくなりました。
いや前々から書きたかったのですが、スランプで中々気持ちが上がらなくて……。
でもすげー自己満足な話ですが、書けて良かったです。←
読んで下さってありがとうございました!
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