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2:30
宏之が目覚めるまで3時間を切っている。
音をたてないように鍵をあけてドアをあける。きちんと揃えて置かれている靴をみると、あ~宏之だなと、そう思う。こんなことで嬉しくなるのだから、相当にベタ惚れだ。
【すーすー】
聞こえてくる寝息。
ベッドに丸まっている宏之、窓から零れる白い月明かり。
なにもない床・・・。ほのかに香る出汁の香り
此処は望む場所なのに、そこに一人でいることに馴れない。
君が笑って「おかえり」といってくれれば
君を笑顔で「おかえり」と迎えることができたなら
最近わたしが望むことは、小さいことなのに実現させるには無理があるのだ。
時間が合わない。二人の触れ合う時間帯はズレている。
一緒にいたい、その想いの強さ・・それなのに実現に立ちふさがるハードル。
『sin』からの入金がいつまであるのかはわからない。斉宮が力を持っているうちはいいだろうが、そうではなくなったら自力でどうにかしなくてはいけない。
使い切ってしまおうと願った振り込みは降り積もる・・・今は目的をもって。
何処でも二人で生きていかれるように、離れてしまわないように。
いつものように服をすべて脱ぎ、宏之のぬくもりに寄り添う。
たったそれだけのことなのに、泣きそうになる。
今日も一緒だった。
宏之・・・。
明日も一緒にいてくれる?
わたしは君と一緒がいい・・・。
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