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「やっぱり、吉川とは寝られません。」
「ふん。」
「わたしは愛する人を得ました。だから他の人とSEXしたら、彼が悲しみます。」
呆れた顔。目に浮かぶ嘲笑。面白がる煌めき。
「今まで知らなかった経験をしています。わたしは貴方に恋をしていたと勘違いしていたみたいです。
あなたの性的な誘いに惑わされて恋だと信じてしまった。」
「碧仁、あんなに従順で私の後ろをついてまわっていたのにか?あれが恋じゃなくて何だ。」
「なんでしょうね。まあ、今となってはどうでもいい事です。」
細められる目。帝王を気取り、性感帯の開発をする職人。
プライドは天ほどに高いというのに、己が不全とは、神様もなかなか心憎いことをする。
わたしの話をよくきくことだ、新しい世界を教えてあげよう。
「わたしの顔をみていてください。これから彼のことを思い浮かべます。」
不審そうな顔、目に浮かぶ疑問。眉間の皺
目を瞑る。
『碧さん、ああ~~あ。俺の愛はまだまだですね』
『綺麗なのは貴方です』
『今日も一日一緒です。』
『今日も一日一緒でしたね、明日もよろしくおねがいします。』
『傍にいます、傍にいさせてください、愛しています。』
宏之・・・君に逢いたい。
ゆっくり目をあける。見える現実はつまらない男の顔、そこに浮かぶのは驚愕。
「わたしが今浮かべている表情を貴方に向けたことはないはずだ。」
青ざめる肌。ふるえる口元。
「和行さんがしている事、それは肉体を媒介として性的快感を得る行為。SEXには程遠い。
ただの作業です、あれは。そこにあるオルガズムは脳がみる夢でしかない。」
「なにを訳のわからないことを言っている!」
「貴方は知らないはずだ、愛のあるSEXの意味を。」
「戯言だ!」
「精神、心どちらでもいいです。あなたは「心のオルガズム」を知っていますか?」
「こ・・こころだと?」
「ええ、そうです。」
「自分の中の温かい場所が登りつめて高みを目指す、自分の核がイク。
そして追従する肉体的なオルガズムと合体する・・・炸裂します、本当です。
繋がった二人が白く光るように感じます、その瞬間。
小さな死・・・・フランス人はうまいことを言うとおもいませんか?
誰も愛したことがない、愛されたことのない貴方は、本当のSEXがもたらす快感を超えた境地を知らない。」
老け込み精気の消えた佐藤はソファに沈み込んだ。
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