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「下衆だな。」
「しょうがない、相手の目線におりないと。
腐っても教授だ、新しいテーマで頭の中はいっぱいだよ、きっと。」
「誰かを連れてきたって、あの男に惚れるとは限らないじゃないか。」
「いいんだよ、そんなことはどうでも。」
「ああ?」
「新しいおもちゃを買ってあげるから、おつかいにいってね。わたしが言ったのはこれだけだよ。
『貴方の好きなおもちゃ』なんて限定していない。」
裕はまたソファにどっかり腰をおとして勢いよく長い脚をテーブルに乗せた。
【ガン!!】
「ちょっと!壊れるよ。」
「原因がわからない苛立ちで俺は今怒ってんだよ!」
「簡単だよ、幼馴染の下衆な部分を見せつけられて、怒っている。でもあれは「交渉」だ。」
「ふん!そういう言い方が斉宮そっくりだ!」
「ゆきちゃんにも言われたよ。長い付き合いだからしょうがない。
さっき、ゆきちゃん「マル」って言ったでしょう?」
「ああ。」
「いつも「サイ」なのに。」
「なんだと?」
「あの子は『pure』じゃないよ。だから斉宮が自分で名乗ったってことだろう?
裕がくるまではサイって言っていたのに、裕を見てマルと言った。」
「木崎に初めて逢った時、俺はマルと呼んでいたからな。」
「ゆきちゃんのそういうところが好きなんだよ。斉宮は。」
「こんなこと言いたくないけどな・・・たぶん関も気に入られるぞ、間違いない。」
わかっている・・・。
「吉川リストは裕に任せていいかな。ライターのほうを当たらなくちゃいけなくて。」
「両方やらせる。人探しのできないヤクザなんか、この先、生き残っていかれない。」
この先か・・・。
裕、お前はどこに向かっていくのだろう。
ずっと友達でいられる所に居てほしい、そう願った。
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