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ドアをあけたとたん、いい匂いが漂ってくる。
今日は何を食べさせてくれるのかな。
「ただいま」
「早かったですね。」
引きずってきたキャリーを持ち上げて中に運んでくれる。こういう些細なことが嬉しい。
「裕に送ってもらったんだ。いい匂いがしてる。メニューは何?」
「すき煮です。昨日おいしいお豆腐を買ったので、たっぷりいれました。古谷さんに配達済です。
今度3人で俺んちで飲まないか?って言ってましたよ。」
「宏之の虫除けスプレーだから、お礼をかねて今度お邪魔しようかな。」
「虫除け?」
「淡い恋心を抱いたメス蠅。」
「碧さん・・・。そんな綺麗な顔で、メスバエとか言わないでください。台無しです。そうだ。」
テーブルを指差す。
「テーブルの下に落ちていましたよ。」
ゆきちゃんに渡されたコピー。昨日帰宅してから取り出して眺めて・・・そのままだった。
「この人何かしたとか?」
「したというか、しようとしているというか。」
「役に立つかどうかわかりませんが。」
「役?」
「この人、俺知っています。」
「え?」
「俺の「元患者」です。」
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