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裕とともに入った部屋は面談室のような場所だった。
会議室にある長テーブルを2本並べてあり、パイプ椅子がその周りを囲むように置かれている。
「他に何かでたか?」
裕はイスにふんぞり返ってネオに聞いた。
「まず、あの「くりえいてぃぶ」さん。上村とつながってますね。しっかし、センスのないシノギっすね~。
AVの通販ですよ?今時ネットじゃタダで丸見えだってのに。
購買層はPCに疎いおっさん達。ネットでポチっとしたとたんでガンガン窓が開いちゃって違約金払えな通知がくる詐欺にひっかかったリストを利用してますね。1枚いくらで買えば面倒はナシ。
田舎じゃ近所のレンタルで借りれば、バイト君が自分の息子の友達かもしれないしね~。
綺麗めの男二人で少女漫画ばりのストーリーなソフト系ゲイビのほうが儲かりませんかね?
おっさんじゃなくて女子に。」
「ソフト系とそうじゃない違いがわからねえ。」
「スイミングキャップ&ゴーグル男がオラオラ~ケツマン~~たねつけ~とか。これ、そうじゃない系」
「くだらねえ・・・。」
「で?上村って男が何。」
「あ、さわさん、ごめんなさい。こっから真剣な話。さっきマンションにいた高宮って男は、立誠会の上村って男の依頼で撮影を頻繁に請け負ってたってことです。通話記録に残っていたし、さっき高宮に電話した時も、『上村さんから言われて』って俺言ったけど、普通にスルー。」
「立誠会?じゃあ、今回は裕絡みで宏之が?」
「違うな。そもそも立誠会は枝の枝、同じ傘下だが、でかくもないし目立ちもしない。
これといって直接かかわった記憶がない。」
小規模の4次団体、主なシノギはAV販売。わたしとの絡みはない。
蒼時代にかすったことでもあるだろうか?ヤクザの相手はいなかった・・・。
「ネオ、その上村の顔はある?」
「もっちろん。ついでに組長さんやら主だったヤツらの顔です。」
ノートパソコンがクルっとまわされて画面が見えるようになった。
そこにある何人かの顔を見ても、まったく覚えがない。
「全員知らない顔だ。そうだ、宏之が車のナンバーを覚えていた。28-36、白のハイエース。」
「はいはい、お待ちくださいよ~。」
またパソコンを自分の向きに直し、キーを打ち込みはじめた。
レンタカーだったら、また回り道をしなくてはいけない。
「ほい、でましたよ~。<トゥルートラベル>・・・だっさ。ああ、そういうことね。」
「ネオ、どういうことだ。」
「住所はワンルームマンション。AVの発送業務をするくらいしか仕事のない旅行会社ってとこかな。
自宅に届いても、ダミーのパンフと旅行DVDなら家族に怪しまれないでしょ?中身はAVだけど。
日本橋の住所、旅行会社。トゥルーは誠でしょうよ。もっとましな名前・・・。あっ!」
もう一台のパソコンとスマホを引き寄せて、それぞれを両手で同時に操作している。
日本語に問題があるが、頭の中は完全に機械と同調しているかのようだ。
「美穂って女は以外と几帳面なんっすよ。電話帳はグループごとにしているし、メールもフォルダで整理されている。相当のメモ魔、なんでもかんでも残しているから、ある意味楽ちん~。
PCに『誠さん』フォルダってのがあったはず・・・あったあった。中身はエクセルっすね。入金の日付と、金額、へえ~それなりに稼いでる。
たぶんこれ、AVだけじゃないっすね・・・。」
「今日はもういいだろう。
逃げも隠れもできないネタを集めて立誠会に話を聞きにいけば、簡単なことだ。」
「ユタ兄・・・でもそれってさ、いっつも散々言われてるアレ。スジがどうしたとか面子だとかってのに引っかからないわけ?」
「普通にいけばな、でも今回は拉致目撃者が俺の知り合いで、さらに攫われた男は俺の弟分だったって話になれば、どういうことなのか理由を聞きにいくのは不思議でもなんでもないだろう?」
「なんかびっみょ~に脚色されちゃってますけど?」
「ネオは探れるだけ漁れ。女の部屋には行徳がいるから、何かしらでてくるだろう。
沢木は関のとこにいけ。目が覚めて一人だったら可哀想だ。」
「今何時?」
「まもなく4:00になる。」
宏之が起きだす時間まであと少し・・・。
目覚めた時、一人じゃないってことを実感させてあげよう。
「おはよう、今日も一緒だよ。」
わたしがそう言ったら、笑ってくれるだろうか・・・。
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