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【コト】
「ジントニックですか。」
「ですね。今日は長居しないでしょう?軽めの一杯がちょうどいい。」
斉宮は何でも知っている。それは一々説明しなくてもいいということだから、楽といえば楽。
そう思っていれば余計な事を考えなくてすむ。
「桜沢が来たので状況は理解しています。水原が悪さをしたようですね。」
「ええ。大事には至らなかったですが、程度の問題ではない。」
「わかります。」
斉宮は煙草に火をつけた。咥えタバコでグラスにバーボンを注ぎカウンターに置く。
隣に座るということか・・・経緯と、しなくてはいけない事の説明が始まる。
端の出入り口からこちら側に移動し、予想どおり隣に腰かけた。
「権田と同じ傘下の小枝とはいえ、できれば関わりたくない筋です。立誠会の上にいる「龍成会」榊組長と権田組は仲良しというわけでもない、互いに苦手程度に思ってくれていい。
今回の桜沢の動きは個人的なものであったとはいえ、これ以上は不味いと判断した。若頭補佐の立場として当然です。
『ボランティアは終わりだ。AV女優崩れを商品として貰うので、タダ働きじゃないけどな。』
そんなことを言っていました。」
当然だ。ネオをはじめ行徳、三原、そして裕自身も今回のことで随分時間を使わせてしまった。
『sin』の商品に関わる業務だから問題ない、そう言ったとしてもだ。
問題になる一歩手前まで踏み込ませてしまっていた。
「あなたが気に病むことは無い。水原がこちらの持ち物である以上、始末は私がつけるのが筋だ。
手助けに感謝しつつ、スマートに処理します。
まず、立誠会は「わいせつAV販売」で逮捕されます。」
「警察・・・に。」
「ええ、チンケな組はチンケな内容でニュースになっていただきます。水原の名前が彼らから漏れるかどうかわかりません。顧客に便宜を図っていたようですが、今回はどの程度水原が噛んでいるのかが見えていないのです。
まあ、ヤクザとつながっていたと週刊誌に叩かれるなら、それまでだ。利用価値がなくなるだけで、それほど、こちらに痛みは無い。」
もうタレコミ済みというわけか。
文字通り耳を揃えて提出された証拠・・・ソースはどんなに辿っても決してみつからない。
裕の関与はゼロ、権田も安泰。
小枝がポキっと折れるだけ。
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