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宏之が攫われてから3週間。毎週日曜日が休みになってほっとしている。
10日で抜糸したものの、傷に貼ったテープは半年ぐらい続けなくてはいけないらしい。
あの日以来、仕事から帰るとサランラップを巻いて、浅いお湯につかり血行を促していたようだ。
脇の傷はもちろん、後孔だって傷ついていたから。排泄にともなう痛みが嫌で我慢すると、便秘になりさらに悪化させてしまう。
宏之はもともと和食だし野菜を食べていたけれど、さらに牛乳を飲む習慣ができた。
宏之と一緒にいると食生活が改善され、身体が楽になったように思う。
わたしばかり健康になり、改善させた宏之が傷を負っているとは皮肉なものだ・・・・。
わたしを起こさないようにベッドを抜け出た気配で目が覚めた。
浴室から聞こえる音で湯をためている事がわかる。
こんなに長くSEXしなかったのは初めてだった。
時間がすれ違っているのは相変わらずだし、ちゃんと顔を合わせて過ごせるのは日曜日だけだ。
だからこそ、その時間を大切にして二人で過ごしていた、楽しみにしていた。
宏之が怪我を負ってから、体を繋げることをしていない。
キスをする、抱き合いお互いに触れる。それは宏之のことを関君と呼んでいた頃の触れ合いに逆戻りしたということだ。当時は安心して心が癒されたが、今となってはもどかしく「足りない」という想いだけが募る。
触れれば触れるほど、脅迫じみた渇望が胸を焦がす。
「碧さん・・・。」そう言って、わたしを抱きしめる時の顔、切ないその表情は押しこめた欲望を燻らせる。
治るまで絶対に何もしないと、そう宣言したのは自分だ。
でももう・・・いい加減。
ベッドから抜け出して浴室に向かった。
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