アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-90-
-
切羽詰ったわたしの願いは届いた。
グジュグジュと泡立った場所に熱い楔が入り込んでくる。ゆっくり・・・ゆっくり
息を吐きだし、力を抜いて一番太い場所が入り込むまでの引き攣れをやり過ごす。
根元まで飲み込んでチリチリとした宏之の下生えを会陰に感じた時、安堵で胸が震えた。
安堵。
これが・・・欲しかったのか?
不安だったわけじゃない、離れていたわけでもない。
わたしは何に怯えていたのというのだろう。
「碧さん・・・気持ちいい、あったかい・・・。」
しっとりとした肌が上気して赤く染まる。
あああ・・・これだ。わたしによって感じる宏之。それをわたしがさせているという事実。
欲しかったのはこれか?いや・・・感じている宏之なら体を繋いでなくても見ることができる。
どうして・・・こんなに助けてほしいと思うのだろう。
「碧さん、あのね。こんなに長い時間、繋がらなかったことは無かったでしょ?だから俺少し考えちゃいました。SEXがなくなったら、碧さんは俺といてくれるかなって。
触りっこみたいな事をしても、足りなくて切ないだけが溜まっていく。
今回の怪我がひどくて、使い物にならなかったら、どんなことになっていたんだろうって。
どんどん不安ばっかり積もっていく。」
「同じ・・・。」
「そんな不安をやりすごすために、いつもより沢山貴方を見詰めました。
笑っている顔
眠っている顔
黙って窓の外を眺める姿
甘えるように手を伸ばす姿
見詰めれば見つめるほど、どんどん愛おしさが溢れてくるんです、そして溢れだして一昨日の夜泣いちゃいました。」
「ひろゆき?」
「悲しいとか嬉しいとか、そんな単純な事じゃなくて。碧さんが俺のなかで一杯になってもどんどん溢れてくる。おいおい泣きながら目を閉じたら、真っ暗で一人ぼっちなのに怖くなかった。
其処は碧さんと俺しかいない場所だったから、怖くなかった。
抱き合って繋がって、吹き出す衝動に翻弄されて・・・行き付くところは、とても高い所にある二人きりの場所です。だから俺、碧さんとSEXしないと二人っきりになれないと思い込んでいた。
でも違った。
胸に手をあてて、貴方を感じれば、いつでも其処にいける。
だからたとえSEXがなくなって、繋がることができなくても、俺は大丈夫だって信じられた。
碧さんもきっと、それでわからなくなったんですね?
どうしていいのか、なにに追いかけられて焦ってしまうのか。」
こうやって、いつも噛みしめるように言葉をくれる。
そうだ、そのとおりだ。さっき目をつぶって宏之の体温を感じたら、簡単に信じられたじゃないか、二人きりだ、ここはその場所だと。
SEXを介在して「二人の場所」にいきついたから、それがなくなれば行けなくなる、失ってしまうと思ったのだ。
目隠しや拘束がなくても、体を繋げていなくても、わたしは宏之と「共に有る」
神の啓示のように、ストンと心に落ちてきた。
『共に有る』
そう感じた瞬間浮かんできた言葉を口にした。
「宏之・・・愛している。」
自然と口をついて出てきた言葉に宏之は顔をクシャっと崩した。
わたしの中で急に大きく膨らんだことに驚く。
「初めて言ってくれた・・・どうしよう。もうこれだけでイキそう。嬉しくて・・・どう・・し・・よ。」
「泣いたらだめって・・・言ったでしょう。」
二人とも情けなくぐずぐずと泣きながら抱きしめあう。
ゆるゆると腰を揺するだけで、宏之の喘ぎは切羽詰まったものに変わった。
「も・・ほんと・だめ。イキそ・・・。」
ボディーシャンプーでヌメる手でいきなり猛ったモノを扱きあげられて喉がのけぞる。
「あ、や!」
「も・・たないから・・・碧さんも・・・いっしょに。」
わたし達は、初めてSEXをする子供のように、あっという間に吐精した。
いつも白く光輝くように高みに昇る行為は、バスタブの中であることを認識したままの慌ただしい交わりだった。
だからこそ、私たちは実感したのだ。SEXがあっても、なくても、うねるような快楽に翻弄されなくても
お互いに一緒だということを。
相手を想いさえすれば、一緒の場所で生きていられるという事を・・・。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 104