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最後の客が帰り、グラスを洗っているとドアが開いた。看板の電気は消したはずだ。
「すいません、今日・・・は」
そこに立っているのは斉宮。
この店に来ることなど一度もなかった。ここで働くように言われたあの日以来。
この場所で斉宮を見る違和感。なんだというのだ、またここをお払い箱になる?
「そんな顔をしないでください、あなたが厳しい表情をすると本当に怖いですよ。」
そんなことを言いながらスツールに腰をかける、いつもの斉宮で特に変わった様子はない。
ここに来た時点で充分おかしいことではあるが・・・。
黙ってローワンズクリークのロックを差し出す。
「レッドトップしか置いていないと思っていましたよ。」
「他にもありますよ、一応酒をだす店ですから。裕用には「46」です。」
「ローワンズクリークは?」
「裕に聞きました、斉宮が出してくれるのも旨いぞって。あなたが来ることはないと思いつつも、備えておけば無駄にはならないかと。役にたったようです。」
「やはり碧仁といると退屈しません。今日は報告と提案と・・・少しだけ打ち明け話をしに来ました。」
そういうことであれば黙るしかない、質問は最後。
「まず、トシですが。おせっかいを焼かせてもらいましたよ。教授に引き渡しました。」
おもわず口を開きそうになったわたしに、ストップと言うかのように人差し指を一本立てる。
「大事なものに手を出された、あなたの気持ちは充分に理解しています。とはいえ、あの場所に関わるのは必要最低限でいい。それに教授に何度も逢うのはいけません。せっかく過去を葬ったのです、そこに引きずられる必要はない、そう思いませんか?」
斉宮のいう事は正しい。正しいが宏之に手を出した報いはわたしが手を下すべきじゃないか?
無関係の宏之が攫われた原因はわたしなのだから。
「事の起こりは私自身が招いたことです。あの男をバイトに使った私の責任ですよ。
あなたに薬を使ったあの一件を最後にトシは切りました。向こうから連絡する術はなかったから、いい稼ぎのバイトを失ったわけです。しがない俳優業でくすぶり続けるぐらいしか能がないと踏んだ私の読みが甘かった。
水原本人に正体を明かさなかった点は、あの男にしては上出来です。ただし、あの一件に関わった人間で外部の者は限られている。トシに行き付くのは簡単でした。」
ネオみたいな、いやそれよりも有能な人間を抱えているのだろう。膨大な数であろう「持ち物」を追跡し続けるためには、ネットの海を自由に泳げる人間が必要不可欠だ。
「トシは、身元引受人の未亡人とともに教授のレッスンを受けることになりました。」
「レッスン?」
「最近のハヤリは、好みの人間を所有することなのですよ。
昼間は使用人、夜はSEXパートナーとしての人材。『sin』の3Fで社交的な接触を好む人間もいますが、秘め事はこっそりと執り行いたいと願う人もいるのです。
彼をレンタルする未亡人はトシの母親よりも年上の女性なので、使い物にならない可能性がある。
その場合、臨戦態勢に持って行けるマッサージを教授が教えるというわけです。
実地訓練ですよ。」
勃起を促すマッサージとやらは前立腺を刺激するということだ。わたしを仕込んだようにトシの前立腺を目覚めさせる・・・しかしそれをするのは女。
無事授業を終えて卒業した暁には、その女に飼われる生活。
意志に反した勃起を引きだされ交わるというのか・・・。生身のセクサロイドじゃないか、吐き気がする。
「よくもまあ次々と考え出すものだ。
教授の頭の中では何種類もの「仕込み」が渦巻いているようです。男に飼われる案もあったのですが、マグロ状態で相手が満足するまで耐える程度じゃ、あなたの気が済まないでしょう?
だから、寝るなんて考えただけでも萎えるような相手とSEXしなくてはいけない日々の方が、お仕置きになると思いましてね。勃たなければ女がどうにかしてくれるわけですから、逃れようがありません。」
「レンタルと言いました。期限はあるのですか?」
「いいえ、気が済むまで、もしくは飽きるまで。レンタル商品にはチップを埋め込む手術をしますから逃げても簡単に捕まります。逃亡しては捕獲されることを繰り返しながらSEXし続ければ、そのうち情くらいは沸くかもしれませんね。私には関係ないことです。
トシの処遇に関して不満は?」
「・・・いえ、ありません。」
わたしに考え付いただろうか?せいぜいがあのビルの地下に堕とすことぐらいしかできなかっただろう。
自分の母親よりも年上の女を抱き続ける生活。
歳の離れた女にフェラチオされながら、アナルに指をつっこまれているトシの映像が脳裏をよぎった。
胃液が這い上がってきそうな気配に慌てて水を飲み下す。
無期限の奉仕・・・罰としては充分・・・。
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