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日常―Ⅲ
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バーの近くに、高級マンションがあった。
影宗が客からもらうチップやバーからの給料などと、雪が稼いだ金の半分で大体このマンションの一室を買う事が出来た。
誰も邪魔出来ない最上階に、二人の家がある。
「はあ……」
深く息を吐いて、雪はベッドに倒れ込んだ。白銀がベッドに舞う。
着ていたタイツを気だるげに脱いでベッドの近くに落とす。
酷く疲れた様な気がした。
影宗が戻ってきたのは、それから二時間近く経った頃だった。
「……寝てるか?陽」
「寝てないわよ……」
雪──いや、陽は閉じていた眼を開いた。白い肌の中から真っ赤なルビーの如き瞳が影宗の姿を映す。
「今日は何人取った?」
「やだ、聞くの?影宗」
「……野暮だったな」
影宗がジャケットを脱いでシャツだけになると、寝転んだままの陽にキスした。
最初は軽く、だんだんと深く。あくまでも優しく、ゆっくりと溶かすように。
「ん、ッ……ふ、」
「ん……」
暫くして離れると、銀糸が二人を繋いだ。陽は着ていた服を脱ぎ始めた。
決して何も言わないけれど、それが二人の「夜」の始まりだった。
「ん……ッ」
陽の白い肌の上を、影宗の長い指が這う。
撫で回されるくすぐったさに、陽は身を捩った。
「随分……焦らすじゃない……?」
「お前はそれが好きだろ?」
「……ひ、ていは、しないッ、わね……ッ」
影宗の指が、不意に陽の胸の突起に触れる。
くすぐったさと違う、客の時と同じ種類の快楽が陽を襲った。
「あ、っ……ん、はあ……ッ」
「イイ顔になってきた」
影宗が陽のズボンを脱がせた。着ていた下着もずらして、勃ち上がりかけたソレを手で擦り始めた。
陽は影宗を引き寄せて、耳元で喘いだ。
「ッ、わざ、とか……ッ」
「ふ、ふ……ッ。あ、たり……んっ、まえでしょ……ああッ」
これこそが本業である陽は啼きながら、さりげなさを装って影宗のソレに手を伸ばした。
影宗がそうしているように、陽も手を動かす。
「ん……ッ、てめ……ッ!」
「本業、なめんじゃ……ッないわよ……あぁっ」
陽に負けないように必死に理性を働かせながら、胸を弄んでいた指を咥えさせる。
目の前の幼馴染をなめた事など一度も無い。その職を言葉には出せない思いを抱えながら。
「んっ!?」
「は、あ……ッ」
指が濡れたのを見て、影宗が口から指を引き抜くと陽の口の端から飲み込めなかった唾液がツーッと垂れた。
店で見せるそれよりも妖艶に見えたその顔に、影宗は息を呑みながらも陽が客には許さないその場所に触れた。
「んッ!」
「触れられてない、みたいだな」
「あ、たり……まえっ……でしょ……ぉっ。だ、れが許すとぁあっ」
「もう、言わなくていい。お前は俺の下で啼いていればいい」
「んぅ……ッ、あ、はああああっ」
陽は誰でもよかった。誰が客でも、どんな人が相手でも。
自分が抱かれる立場でさえ、無かったなら。
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