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5月11日(月) 俺だけが*
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「───っあ…、うっ」
俺に組み敷かれ、怜が乱れた声を漏らす。
いつもの飄々とした性格からは予想もできないほど卑猥な表情を見せながら。
「怜…」
名前を呼んで唇を重ねると、中がきゅうっと締まった。
───俺の手で。
抱いているという感触を、ひとつも溢さず刻みつけられるように。
舌を絡めながら薄く目を開いて、紅潮する怜の顔を見た。
「っ…」
「ああっ」
キスで息切れしている怜を、追い立てるように揺さぶる。
「んっ…、し…ぐれ…っ」
怜は俺の名前を呼びながら、背中に回した手でシャツを握りしめた。
「も、出そ…ぅ…あっ」
無意識に快感を逃がそうと体を捻る。
「……っ」
俺はさっき付けたばかりの首の傷に再び噛み付いた。
「いっ、ぅあ…っ」
怜が一瞬だけ顔をしかめる。
「やっ…時雨っ、イくっ」
「……」
俺は首から滴る血を飲み込んで、張り詰めた怜の自身を握りこんだ。
「あっ、やめ…っ離せ」
イかせないように、根元を抑える。
「噛まれて…痛くてイくんだな」
「ちがっ…う…、時雨っ」
俺はわざと怜をいじめて、涙目にさせた。
───この顔も、俺だけが。
さっきまでの余裕をなくして、怜はがくがくと足を震わせる。
「違わないだろう、腰が揺れてる」
俺が血を吸う間、動いているのは怜の腰だ。
俺が動かなくても、怜が好きなように気持ち良くしてくれる。
「しぐ、れ…っ、も、離せっ…て」
自身を握る俺の手をつかむが、まともに力が入らない手では何もできない。
「なんで、離してほしいんだ」
「はぁ!?……あっ」
流れ出る血を残さず舐めとり、怜を見下ろした。
「苦しい…っから!」
「じゃあ、どうして欲しいか言え」
「あっ…や、っあぁ」
怜の目が俺を睨みながら、迷いを見せる。
早く言えば、楽になるのに。
無駄に高いプライドが邪魔をする。
人を誘うのは上手いくせに、甘えるのが下手な奴。
───だから苛めたくなる。
いつだって人の優位に立って、なんでも思い通りにして。
誰かに従うことなんて知らずに生きてきたからこそ。
言うのは良くても、言わされるのは心底嫌らしい。
俺には、さっぱり理解できない思考だが。
「…言わないと、離さないぞ」
怜の根元を握ったまま、強く腰を打ち付ける。
「ああっ、く…っ、ふざけ…んなっ」
どうやら、死んでも言う気はないらしい。
その意地がどこまで保つか…。
「はっ…っ」
「はなっ、せ…っ、あっ」
抵抗は声だけで、中はぎゅうぎゅう締め付けてくる。
…そろそろ俺がやばい。
「…怜?」
怜の様子を伺いながら、一度だけ強く奥を突き上げた。
「あっ、あああぁっ!!」
その瞬間、怜の体が弓なりになる。
びくびくと足先まで震わせて、まるで吐精した瞬間のようなのだが。
「…はぁっ、はっ」
怜のものからは、白濁が溢れていない。
「ドライか」
「はっ…はぁっ」
中が激しく痙攣している。
堪えきれなくて、俺は両手で怜の腰をつかんで揺さぶった。
「ああっ、しぐ…れっ、時雨っ」
解放された怜の自身が、突くたびに蜜をこぼす。
「怜…っ」
「あっ…はぁっ」
俺が達すると、怜は手を伸ばしてキスをせがんできた。
されるがままに唇を重ねる。
疲れて怜の首元に顔を埋めると、美味しそうな血の匂いがした。
「…ふっ」
耳元で、怜の笑う声がする。
「なんだ」
「俺の勝ちだな」
「は?何言って───あ」
俺はふと思い出した。
『じゃあ、どうして欲しいか言え』
怜は結局、言わなかった。
「…おまえなぁ」
けらけらと笑う怜に、俺は決意する。
次はもっと泣かせて、めちゃくちゃにして。
言いたくないことを片っ端から、言わせてやる。
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