アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
不穏な雰囲気の中。
-
三井、仙道、宮城が「へ」と間抜けな声を出した時、
水戸は「なんでだよ」と流川に聞き返した。
流川は「てめーがどあほうのこと好きじゃねーならかんけーねー。かえれ。」
…一般的に聞くと、彼の言ってる意味は
少しわからないかもしれない。
だが、ここにいる四人は
日頃流川という男と接しているためなんとな〜くわかったらしい。
宮城は補足するように水戸に言った。
「…つ、つまり。
花道のことが好きじゃねーなら、邪魔だから帰れってこと…だろ?流川。」
コクリ。流川は静かに頷いた。
ピキリ。水戸はイラついた。
「かえんねーよ。俺は。」
水戸は頬杖をつきながら流川を見やった。
ぎろりと流川は水戸を睨む。
そして「なんで」と聞く。
「危ないから。花道をこんな野獣みてーな男がわんさかいるところに置くのがね。」
すると仙道が フフ、と笑った。
水戸がなんで笑うんだよ、とでも言いたそうな顔をして仙道を見る。
「強情だなぁって。」
「…そ?」
「まぁ、一番楽なポジションだもんな?
その立ち位置ってさ。」
「…どういう意味だよ。」
度々イライラが積もってきた水戸はワントーン低い声で話を続ける。
「保護者気取り」
そう言って仙道はヘラリと笑った。
「桜木の保護者でいれば、桜木はあんたがどんなに近づいたって何の警戒もしないだろうしね。
だからだろ?自分の気持ちを認めないのは。」
仙道が淡々と語っていくのを
ヒヤヒヤと宮城と三井は見ていた。
流川はもっと言ってやれとでも思ってるのだろうか。彼の真意は定かではないが。
「んだと…。テメー、あんまり調子に乗んなよ?」
水戸はぎろりと現役ヤンキーながらの
ガン付けを仙道におみまいした。
だが仙道は「ムキになってるのが何よりの証拠だろ?うんうん。」と余裕に頷いているのだ。
何を考えてるんだ仙道よ。
まぁ彼の髪型からして普通の人間ではないとはわかるんだけれども。(仙道の髪はつんつんヘアーなのだ。)
「桜木が好きだって認めちゃったら保護者ではいられなくなるもんな?それは嫌だよなぁ。
…まぁ、今まで築いてきた友情たるものが壊れる方がもっと嫌だろうけど。」
「テメェ…!!」
水戸が仙道の胸ぐらをつかみ、叫んだ。
慌てて宮城と三井が立ち上がる。
「ちょ、ちょっと落ち着けよ!二人共!」
三井は仙道を止め、
宮城は水戸を止めた。
どろーり、五人の空気はどす黒いものに変わっていった。必然的に。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 90