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仙道、水戸、休戦。
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「仙道…オマエ言い過ぎだぞ」
ため息をつきながら言う三井。
だが仙道はニコリと笑い「普通でしょ」と言った。
「どこがだよ、ばかやろう…
もうすぐで乱闘だったぞ?おまえそれでもバスケ部員かよ」
「うん。」
「うん、じゃねーだろ、アホ!」
三井はしびれを切らしたように仙道に言いかかった。
すると宮城が「アンタまでイライラしちゃ収集がつかなくなるでしょーが!」と三井を止めた。
うーん、恋する男というものは
醜いものである。
「だってずるいと思わねーの?」
「はぁ?」
三井は仙道に対し首をかしげる。
「俺はさ、ライバルが増えることに関してはもうどうでもいいって思ってんだ。割と。
桜木はああいうやつだからモテるのは仕方ないし。」
「…」
「でも、好きなのに好きじゃないフリするなんてズリーよ。
俺は嫌われる覚悟で桜木にコクったりしてんだ。みんなだってそうだろ?」
仙道の言い分に三井と宮城は固まった。
確かに、と思ったのだ。
すると水戸はカナリ大きな舌打ちをした後に
「へいへい。わかりやしたよ!」と彼らしくもない立て膝をつき、仙道を睨んだ。
「俺は花道のことが好きだ。
友達なんかじゃねー。俺はアイツのことを愛してる。」
まさにキッパリ。
恥じらいもなく水戸は『愛してる』とまで言ってしまった。
宮城と三井はその勇ましさに思わず顔を赤くしてしまった。
彼ら二人にはそんな勇気がないからだった。
「これで文句ねーだろ、仙道さんよ。」
開き直ったように水戸はへっと笑う。
それはまるで勝ち誇ったようにも見えた。
「文句はないけど、同時に失恋決定だけどね。水戸くん。」
それに上乗せ。仙道も不敵に笑った。
目には見えない閃光が両者の間でバチバチと音を立てていた。
…すると水戸が、思い出したようにしてこう言った。
「…ってか、水戸くんっていうのやめろよ。洋平でいいよ洋平で。言っとくけど俺アンタより年下だぜ。」
「あ、そうだったかな。水戸くん…じゃなかった。洋平って大人っぽい顔してるからタメに見えるよ。」
「そうかぁ?」
はは、と水戸は笑った。
三井と宮城は安心した。
乱闘事件が起こらなくて、と。
だが一人、流川はチッと舌打ちを立てた。
乱闘が起こっちまえばよかったのに、と。
一先ず、不穏な闇は明るく照らされたのである(?)
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