アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
後悔先に立たず…?
-
「最悪だ…」
────朝、桜木家で一番に目を覚ましたのは宮城リョータ。
そして2番目に起きたのは水戸洋平。
宮城は昨日…ではない、つい何時間前の出来事を水戸に細かく細かく話した。
「最悪だ、なんてことしちまったんだ俺は…!!」
水戸は頭を抱え、絶望に打ちひしがれた。
ああ、何のために今までずっと
我慢してきたんだ。
ああ、何のために…!!
そう思った水戸だが、待てよ…とつぶやいた。
…花道とキスをしたのはそれが初めてじゃない。
通算三度目だ。多分。
まぁその時はお互いベロッベロに酔っていたのだが…
「…うーん。いやいや…やっぱり最悪なのには変わりねーよなぁ…」
水戸は再び頭を抱えた。
昨日…じゃなく今日の桜木はシラフだったはず。
酒を呑み、悪酔いしてたのは俺だけ。
水戸洋平だけだった。
ああ…どうしよう。
水戸は既に混乱していた。まさに思考回路ショート寸前。
「ん…」
次に起きたのは三井。
眠たそうに目をこすり、ぐらりと起き上がった。
「あれ…俺…」
ここが何処か見当がついてないようだった。
それに宮城が見かねて三井に声をかける。
「三井さん、おはよーゴザイマス」
「ああ、宮城か…って、え!?
なんでおまえ俺んちに…!」
「いつから花道の住居が三井さんの家になったんすか。」
「え…桜木?あ、ああ!!
俺きのう桜木の家に泊まって…」
そこまで言いかけ、
三井はピタッと頭を掻くその手を止めた。
そして顔を赤く染め、ツツツと己の唇に手を沿わした。
「…ゆ、夢…」
「夢じゃないっすよ、三井さん。」
ビシリと真実を告げる宮城。
水戸は聞きたくない!とでも言うように耳を塞いでいた。
彼らは沈んだ。
スヤスヤと穏やかに眠る仙道と流川を他所に
かなり凹んだ。
顔に縦線…
どうしよう。
最愛の桜木花道に『大嫌い』と言われてしまったのだから大変だ。
彼らを悩ませている張本人は
まだ寝室の扉の奥にいた。
とりあえず仙道を起こそう、と
宮城は仙道の肩を揺さぶった。
「お、おきねえ…」
この男、全く目を覚ます気配がない。
それどころか肩を揺さぶられてニコニコと浮ついた笑みを浮かべている。
…桜木とキスしてる夢でも見ているのでないかと思えるくらいに穏やかなものであった。
一方、流川のほうは自然に起きるのを待たないといけない。
なぜなら流川の眠りの邪魔をすると
半端じゃない鉄拳が降り掛かってくるからであった。
あれを喰らえば痛いどころじゃ済まされないであろう…
しばしの沈黙…
仙道が起きた。
「ふわぁーあ…」と豪快なあくび後、爽やかに「いよっす」と寝起きのいい彼の朝の挨拶。
何も覚えていないのだろうか、
宮城はあの出来事を説明した。これで三回目。
だが、彼は必死に何か得策を得なければと
めんどくさがらずに仙道に助けを求めた。
だが、
「覚えてるよ」
ケロッとした態度の仙道に3人は驚愕した。
覚えている…だと!?
最愛の桜木花道に大嫌いとまで言われて
なぜそこまで平気でいられるのだ!!
そうして3人は再確認した。
やはり仙道は普通じゃない…と。
「気にすることはねーさ。大丈夫。」
ニコリと仙道は笑った。
「な、なんでそう言いきれんだよ仙道…」
三井はしどろもどろ、訪ねた。
水戸も宮城も同様だった。
「だって俺、桜木に大嫌いって言われんの
4回目だもん。」
────シーン…
この瞬間、3人の思考回路はショートした。
いやいや立ち上げろ!と、水戸は首を横に降る。
「ど、どーゆーことだよ…それは…」
「まず、告白したときだろ?
振られた後、しつこく家に上がり込んでたとき。
そんでこの前無理やりキスを迫った時、
…んで4回目、昨日。…じゃないか今日。」
「「「………」」」
3人は少しばかり安心した。
何故なら昨日のキスをする前の桜木と仙道は
普通だったからだ。
普通に話をして普通に笑っていた。
…大嫌いな相手にする態度ではないのは
誰が見ても一目瞭然。
彼らは沈んだ場所から少し浮くことが出来た。
それを見た仙道は再びニコッと笑うと
「まあでも一応、謝った方がいいでしょうね。」
と言った。
「「「当然だ!」」」
3人は意思疎通したようにハモった。
その姿を見て仙道は「はっはっは」と愉快そうに笑い声を上げたのである。
その時、流川はまだ夢の中にいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 90