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単純王、桜木花道。
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────しばしの沈黙
流川が呟いた。
「どあほう…」
ちっさな声だったが、地獄耳の桜木に聞こえないはずもなく「…ぬ?」と遠慮がちに反応を示した。
「腹減った。」
それを聞いた水戸は「確かに、腹減ったな。」と笑みを零した。
それもそうだ。今の時刻午前12時。
丁度昼時。
しかも朝飯を食ってないのだ。
育ち盛りの男子たち、腹が減らない筈がない。
そう自覚した瞬間
四人の腹はグウウウウと苦しげに声を上げたのであった。
「お、俺にどうしろっつーんだ!
ま、まさかこのオレサマに作れなんぞ言うんじゃねーだろうな!?」
そろそろ落ちいてきた桜木は本領発揮。
いつものように悪態をつきはじめた。
まあ、ふいに思い出しちゃうと赤面してしまう可愛い桜木だったが。
「そーだ」
流川はコクリと頷く。
すると桜木は「なんで俺が!!」と叫んだが
「おめーのテリョーリがいー。」
と、恥じらいもなく流川は告げた。
カッ!!と赤くなる桜木。
どうやら嫌な気はしないみたいだ。
それを見た水戸は「俺も食いてえな。」と微笑んだ。
(まあいつも食ってるけどね。)
水戸にとって桜木の手料理は食べ慣れたものだった。
それはいつもいつも泊まり、泊まられ
二人でうきゃうきゃ遊んでるからだった。
まさに仲良し二人組&エトセトラ…桜木軍団だった。
「俺も腹減った!桜木!」
少しテンポが遅いが三井もそう言ってることだし…
と、桜木は仕方なく…いや、ちょこっとばかし嬉しそうに
「あーやれやれ!そんなに天才の作る手料理が食いてーかよ、おめえらは!!」
と照れたように高笑いをした。
(可愛いヤツ。)
水戸はそう、単純王の桜木花道を見やり
優しく微笑むのであった。
ちゃっちゃと桜木は台所へ立ち、
料理を始めてると流川がスッと立ち上がり
桜木のもとへ向かおうとした。
だがそれは水戸の手で阻止されてしまう。
水戸は言った。
「後からのお楽しみにしようぜ、流川。」
流川は押し黙ると、「しかたねー」と舌打ちをしながらもソファーにもたれ掛かった。
三井はTVを見ながら笑っていた。
内容はバラエティーで、ノンスタイルの漫才だった。
三井は死にそうなまでに腹を拗らせ馬鹿笑いをしていた。
その横で流川は迷惑そうに眉間にシワをよせていたのは言うまでもない。
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