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水戸洋平の静かなる陰謀。
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その頃、桜木花道は考えていた。
台所に立ち、卵を割りながら考えていた。
昨晩のことだ。
よくよく考えてみりゃ
俺に素面でキスしやがったのは洋平を除いて四人だな…と、今更ながら気づいたのであった。
そう、洋平は悪酔いしていたのだ。
…ということは、やっぱり洋平は洋平だ、と。
だが、それでもやっぱりキスしたことは変わりなく、思い出すだけで身震いするくらいドキドキしてしまうけれど。
でも、洋平は親友なんだ。
そうだ、洋平は家族みてえなもんだ。
それに…流川や、ミッチーや、リョーちん…それにセンドーだって!
…ライバルだし、仲間だ。(センドーは敵チームだけど!)
変な意識したらなんかオレサマがへんなやつみてえだぜ。
と桜木はブンブンと首を横に振った。
まるでやましいことを脳内から消し去るようにして。
「ふんふふーん。」
桜木は鼻歌を歌いながら
炒飯 を作っていた。
その頃ほかの三人は────
「ブワッハハハハ!!ひーひー、おもしれえ!このナルシスト!」
三井はまだ、ノンスタイルの漫才を見て笑っていた。
水戸も笑っていたが、三井とは対象が違っていた。
水戸が笑っていたのは 流川だった。
三井が騒がしいのを我慢出来ないといった様子で気づかない三井を睨んでいる。
それもう思い切り。
なのに三井はTVに夢中だ。
この不毛な戦争(?)に、水戸はケラケラと笑っていたのであった。
数分後、桜木がリビングにやってきた。
「オイ、おめーら!できたぞ!
天才手作り、スペシャル炒飯デラックスが!!!」
得意げにおぼんに皿を4つ乗せ
持ってきた桜木花道。
3人は腹を鳴らし、涎を垂らしそうになった。
…すごーくいい匂いだったからだ。
三井に至ってはTVを消してしまうほどだった。
それくらいこの炒飯に集中したいのだろう。
周りから見るとこの豹変ぶりは少し可笑しいものだ。
「イタダキマス」
四人はご丁寧に手を合わせ、合掌した。
そしてガツガツと桜木の手料理を我先にと食い始める三井と流川。
それを見ていた水戸は(必死だなあ)とクスクス笑いながら手を進めていた。
「うまいかね、キミタチ!はっはっは!」
その3人の様子を見るなり
ご機嫌の桜木は高笑いをしながら自信満々に胸を張っている。
「うまいよ、花道。」
ガツガツと炒飯に夢中のふたりを置いて
水戸がニコリと桜木に優しく微笑んだ。
「花道が作った料理が一番好きだぜ。」
「…そ、そうかね、はっはっは!」
少しばかり耳の赤い桜木。
…それを見逃す水戸ではなかった。
水戸は、いい男だ。
優しくて頼りがいがあって、何より大人っぽくて…かっこいい。整髪料とタバコの匂いが交じるチョイワルイケメンだ。
身長は桜木より少し低いが、それでも一般的に言わせれば高い方だ。
(桜木が高すぎるのだ。190近くある。)
そんな男、水戸洋平は
ひとつ…作戦を進行していた。
それは桜木花道を落とすこと。
桜木花道をラブの意味で手中に収めることだった。
その計画は既に半分を終えていた…それを知る者は本人、つまり水戸しかいなかった。
残り半分…終幕を迎える頃、
彼の描くゴールは、甘い甘い花道とのあまーい夜。
(はな…もう親友だとか友達だとか
言わせねーからな。)
彼はひとり、不敵に微笑むのであった。
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