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負けられない勝負は淫らな賭け。
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「予想通りだなぁ。」
「…なにがっすか。」
PM21:05
俺(水戸)の家に 仙道が来た。
…っていうより、連れてきたんだけど。
何をしに?
………ヤリに…らしい。
「まず一人暮らしだろうなってのも当たってたし、年季入ったアパートってのも当たった。…だから予想通り」
ニコりと微笑む仙道に
失礼なやつだな、と内心思いながら
「ほんとーに…」
ほんとーに、ヤるつもり?
そう聞こうとして言葉が詰まる。
なんかイキナリそう聞くのもこっちがカナリ意識しちゃってるみたいで気にくわなくて。
まぁ冗談だろうとは思うけど?
…だって目の前にいるこの男は
俺の好きなヤツを また 好きなんだから。
「じゃ、入っていいですよ。」
「おじゃましまーす」
ここまで図体のデカイ男を入れるのは
花道以外無かったな…
そう考えてたら仙道が
「ははは、タバコの匂いすごいな」
と笑った。
「あー、窓あける?」
「いいよ大丈夫。寒いしさ。」
水戸の部屋に入ると仙道は
机の周辺に すわった。
水戸は、机の上にある 灰皿にたまった吸い殻を
捨てた後 仙道の遠くに腰掛けた。
近くに行くのは なんとなく気が引けた。
「ビビってる?」
微笑みながら 仙道が言う。
そして自分と水戸の距離を手で表し
「遠くない?」と首をかしげ、笑った。
「…ビビってねーよ、別に。」
「えーじゃあなんでこんな距離あけて座るんだよ?」
「あんた手が速そう」
「うん。はやいよ?」
「……………」
窓を締め切ってるせいで 風がない。
そのおかげだろうか。
空気が何となく 質量を増しているようなきがする。
カーテンの間からくる月明かりが
仙道の笑顔を照らす。
けどその笑顔は 花道に向けられる純粋無垢気なものではなく
一匹の狼のような野獣の目を連想させるものだった。
水戸を水戸として見てない。
獲物として見ている。
そう感じられた。
(…喰われる。)
彼は笑ってるのに
余裕を浸しているのに
食されるのは自分のような気がしてならない。
負けず嫌いの水戸は
そんな気を振り払い 仙道の近くに腰をかける。
「御託はいい。
ヤるならさっさとヤろうぜ。」
「そうこなくっちゃ。」
「…あ、待った。それと…俺が勝ったら、明日花道んち行くの無しで」
「ああ、いーぜ?その代わり俺が勝ったら
邪魔しないでくれよな」
────そうしてライバル同士の夜が始まりを告げたのであった。
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