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夢と終生のライバルの狭間で。
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「花道、お前がそんなに淫乱だったとはしらなかったぜ。」
「よ、洋平…違う!違う!俺は淫乱なんかじゃ…」
「何言ってんだ、今更。
流川とだって寝たんだろ?」
「な、なんで知って…っ」
水戸はフッと微笑むと花道の肩をポンと叩いた。
「俺、彼女出来たんだ。」
「え…」
「きっと俺、どっかのネジが吹っ飛んでたんだよ。わるかったな。
変なことして。」
「…洋平…っ」
ズキン、ズキン…と胸が痛む。
切りつけられるような感覚に俺は体がどんどん重くなっていくのを感じた。
「じゃあ、またな。」
「洋平…、待てよ…!洋平…っ」
洋平…!!!!!!
────────────────
────────────────────
「…洋平!!!!!…ハッ!…ゆ、夢…?」
起きてみるとそこは自分の部屋で
布団の中だった。
「…はよ。」
横から声がして、顔を向けると
流川がいた。
「…わっ!お、おまえなんでここに…」
「…寝ぼけてんじゃねー」
「…はっ!」
たった五時間前の記憶ファイルを呼び出して
すべてを思い出しちゃった桜木花道。
「…っふがっ…」
真っ赤になって布団を頭まで覆いかぶせた。
「…何の夢みてたんだ、てめーは」
「……!」
そうだ…洋平…
な、なんたって俺はあんな夢を…
『花道、お前がそんなに淫乱だったとは知らなかったぜ。』
『俺、彼女出来た。』
ズキン…ズキン、ズキン…
苦しい。 胸が痛い。
チガウ…あれは夢だ。
偽りのデキゴトなんだ。別に気にすんな俺。
…で、でも…正夢だったりしたら…
「…うぬぅ…」
「おい、きーてんのか。」
「…ん…?何が?」
「水戸の夢」
「!」 ギクッ
「洋平洋平っておめー寝言うるさかった。」
「……………そ、そりゃ悪かったな!」
「…まぁいいケド」
(所詮、夢だしどうでもいい
ムカつくけど。) と彼は思っていた。
ぎゅっ、と流川は背を向ける桜木に
後ろから抱きついた。
「うがっ、なっなんだルカワ!」
「どあほー…スキ」
「…ぬおっ!?…ば、馬鹿!
なにをイキナリ…」
「…ちゅ。」
背中にキスを落とす流川。
さらけ出された肌と肌がピッタリくっつくと
なにやら気持ちがいい。
「ぬぬぬ…」
顔を真っ赤にして俯く桜木。
(…調子狂うぜ、くそぅ…)
口を開けば喧嘩だった
この終生のライバル。
流川はバスケが悔しいけどすげーうまくて
認めたくねーけど すげーモテて
…んで、かつては好きだった女の子 赤木晴子の片思い相手で。
…キライだった。 いや、キライな筈だったんだ。
少なくとも俺はそう思ってた。
…けど いざコイツが素直に俺に近づいてきた時
俺は嫌じゃなかった。
むしろ猛獣を手懐けた感?それに似たよーな嬉しさが込み上げた。
…んで最近、そこまで激しい言い合いはねーなって…
部員の奴らも 不思議そうな顔してやがったのを思い出す。
そして当人のコイツからはシツコイほどの視線を感じるし
さりげな〜く優しい。
例えば…ボール拾ってくれたりとか…
ポカリ差し入れしてくれたりとか…?
この不器用な優しさを感じてたは感じてたけど、
『どあほうがスキダ』
まさか告白されるとは。
そして極めつけは…ヤッちゃったという…
……………………ああ、
終生のライバル……………?
────この二日間で 3人もの男から愛の告白を受けてしまった桜木。
戸惑う心と
何やらよくわかんない感情が入り交じっていた。
『俺、彼女出来た。』
ズキン。
(洋平…)
気になって仕方ない
正夢だったらドウシヨウ…
今は流川どうこうも気にはなるけど
それ以上に
水戸の夢が頭から離れなくなっていた桜木花道だった…
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