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会いたい、あなたに。
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「なんだってぇええ!?」
その頃、桜木家では宮城の盛大な叫び声が響き渡っていた。
その理由は…
「水戸や仙道まで…花道とヤッたのか!?なんで!?どうして!?
なんでそんな急展開になってんだよぉ!なあ流川ああ!」
「知らねーよ。自分で聞けば。」
流川はシラーっとしている。
知ってるくせに嫌な男だ。
その時の桜木はというと目を瞑り、両手で耳を塞ぎ続けていた。
顔を真っ赤にして。
(ああもう!だから嫌だったんだ!流川め!)
そんな桜木に宮城は言った。
「花道…水戸や仙道のどっちが好きなんだ?」
しかし桜木聞く耳持たず。
宮城は仕方ねぇ…と言った様子で
その辺に置いてあったペンを持ち、桜木の手の甲に書いていった。
「見て」
口パクでいうと
桜木はわかったようで耳から右手を外す。
その書いてあった文字を見て
彼は再び耳を隠した。
「そ、そんなの分かんねぇよ!!」
「は、は?わかんない?
なんでよ花道!やっぱりどっちかがすきなんだな?そうなんだな!?」
「わかんねーわかんねー!あーあーあー!」
すると流川がたちあがり、
桜木の両腕を掴んだ。
そしてすごい力で彼の手を耳から外すと
「ちゃんと答えろ。じゃねーとキスする。」
と言って 桜木のほっぺにキスを落とした。
「ああああああ!てめぇ流川ぁ!?
どさくさに紛れて今花道に…!」
宮城が叫ぶのと同時に
桜木も叫んだ。
「し、知らねーもんは知らねぇ!
お、俺は…女の子が…好き…なんだ、
可愛くて大人しくて…そんな子が…っ晴子さんが……好き…だ、だったんだぁああああっ」
そのまま
タカが外れたように桜木は泣き出してしまった。
宮城と流川は思わず固まった。
(どあほうが泣いた)
(…は、花道が泣いてる…)
((やばい、すげぇキュンキュンする。))
即座に宮城が桜木の元へ駆け寄り
その頭を優しく撫でてやる。
「大丈夫。大丈夫だぞ、花道」
流川は無表情で桜木のおデコに何度もキスを落としていく。
「…」
無言で。
「てめぇ、流川!だからどさくさに紛れんな!」
「…ヤキモチは見苦しい」
「んだと!」
人が泣いているというのにお構い無しで
ギャンギャンうるさいこの2人に
疲れ果てる、花道。
こんな時。こんな時、あの人がいたら。
あの人だったら………………
頭の片隅に あの人の後ろ姿が浮かぶ。
会いたい。
そう思った。
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