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学校へダッシュ!
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「花道…」
洋平の優しい声がして
目が覚めた。
眼前に洋平のツラがあって
びっくりして起き上がろうとしたら
デコがぶつかった。
ゴチってスゲー音がして
ズキンズキン痛い。
「いで!!」「…っ、いてー」
反動でまた洋平の膝の上に
頭を置いてしまった。
「…相変わらず石頭だな、花道は」
「…ぬっ…ま、まあな…」
「…ふっ、褒めてないんだけどなぁ」
そう言って桜木の赤くなったデコに
キスを落とした水戸。
「…何の夢見てた?」
「…ん、夢…?」
「ずっと名前呼んでた」
「名前?」
「洋平…って。俺の名前」
言われてボンヤリと頭にかかった霧が静かに晴れてきた。
そう言えば…たしかに夢を見てた気がする…
なんだっけ。
思い出せねぇ。
ただ、嫌な夢だった。
心にぽっかり空洞が出来たみたいに
苦しくて心細い、そんなんだった気がする。
だから寂しくなって洋平を呼んだのか?
…最悪だぜ、ハズカシー。
「おお…わりぃ洋平。俺、ちょっと変な夢見てたみてぇだ。
なんでもねぇから気にすんな。」
デコをさすりながら
上体を持ち上げた桜木は空を見て息を吐いた。
白いモヤがふわっと空に広がって
ぼーっとそれを眺めた。
「何時間目くれーかなー」
「今行ったら丁度3時間目くれーじゃなーかな。そろそろ行くか?」
「おう!」
そう言って勢いよく立ち上がった桜木の手をギュッと握った水戸。
桜木は驚き目を見開くと
後ろを振り返った。
「洋平?」
「…俺はお前を1人にさせねーからよ。
何かあったら言え?寂しかったら甘えて来い。
いつだって、なにがあったって花道の側にいる。だから余計な心配すんじゃねーぞ?」
「…!」
「わかったか?」
「…ぬ…な、何言ってやがる…
俺は心配なんか…」
「…もしも、の話。
お前は素直じゃねーから、変なとこで。」
「…む…洋平、ホゴシャかよ」
「ははっ、よく言われる。」
「よく?」
「ああ、よく。」
(仙道とかに。)
ふと仙道の顔が思い浮かぶ。
(そういえば仙道と俺……
……………………)
「洋平!行くぞ、早く!」
「あ、わり。」
「ダッシュ!」
そう言って桜木は走り出した。
「えっ、あ、おい!ちょっと待て!!」
それを慌てて追いかけていく。
(…仙道とヤったんだっけ。
…………今更だけど…やめときゃよかった…)
そんなことを思いながら
花道の赤い髪を見つめていた。
胸騒ぎがしたんだ。
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