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藤真さんと水戸くん
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(もうそろそろ終わる頃かな)
時計を見やり、時間を確認する水戸。
針は8時を指していた。
練習試合をしているバスケ部メンバー達。
疲れきった顔に汗がダラダラと溢れては
床に落ちていく。
花道も同様だった。
汗びっしょりで、肩で息をしている桜木は
この時間一生懸命バスケというものに
打ち込んだのだと分からされる。
健気だ
きっと、花道はバスケ相手であろうと
なかろうと
健気。
誰に対しても。
1人だけが特別というものはない気がする。
もちろん俺も。
花道は誰とでも仲良くなる。
それは昔から変わんない。
年上でも年下でも当然、タメでも。
正直、さっき三井さんと体育館の隅っこで
コソコソしてたのは気に食わなかった。
でもそんなの花道に言えるわけがない。
悪気はないってのを
誰よりも知ってっからね。
だから我慢するんだ。
我慢…
「おまえ、水戸っていうんだろ」
「…はい?」
ふと隣のホケツ君…じゃなかった
藤真さんに声をかけられた。
今の今まで会話という会話が
全く無かっただけに
少し驚く。
「そうですけど…」
「桜木と…仲がいいんだな
…あれか。幼馴染みかなんかか?」
「まぁ…そんなもんすかね。」
「ふうん…」
藤真さんはまた黙ってしまった。
だから俺も黙る。
別にこの人と話したいようなことも無いから当然だ。
するとゴリ(赤木キャプテン)の集合がかかった。
キュッキュッとバスケットシューズと体育館の床が擦れる音が響く。
この音を
俺は飽きることなく聞いている。
花道がそこにいるから。
「好きなんだろ?」
「は?」
気づくと藤真さんが両手を組み
こちらを睨んでいた。
「桜木のこと、好きなんだろ」
なんでそんなこと聞くんだよ…
めんどくさいな。
そう思ったけど
まあもういずれバレることだし
いいか…
「好きですよ」 と言った。平然と。
「俺も好きだ。奇遇だな。」
「そーなんすね」
知ってるよ。
見ればわかる。
言わねーけどね。
「告白はしたのか?」
「…なんでそんなこと聞くんすか」
「気になるからな」
…とっくにした。
しかも付き合ってまーす。
…なんか言えるかよ…
どうすんだこの状況
嘘つくか?
…でも後々バレたらめんどくさそうだなーマジで。
うーん…と悩んでいると
海南軍団が下に降りてきた。
「終わったみたいだね。」
神が言う。
すると後ろに立っている清田信長が
「湘北の練習は甘いっすよね!
もっとウチみてーに厳しくなきゃ!!
厳しく!」
と、かっかっかっ!と笑いながら
牧に話しかけている。
と、同時に湘北軍団も部活が終わったようで
入口にぞろぞろと向かってきた。
もちろん花道も。
それで藤真さんの質問はかき消されたけど
これから何が始まるというんだろう。
と考えれば考えるだけ頭が痛くなった
水戸洋平だったという…
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