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スズヤは慌ててサングラスを付けるが、辺りが見えるようになる程度で、目に痛みは走ったまま。
アルビノの瞳が赤いのは、メラニン不足により奥の血管が透けてる。故に、日本であれば多少日に当たってもあまり害は無いが、長く当たる場合はサングラスが必需品。ハワイなんてもってのほか。
スズヤは痛みを通り越して、痒みすら走る瞳をサングラスの下から触ろうとすれば、その手をリクトが掴み奪う。
「炎症してんなら触んな」
「……なんか最近更に気持ち悪いんだけど兄貴」
似合わ無いリクトのその行動。
スズヤは彼を突き放つため、「兄貴面するな」と言った後から、嫌がらせのように彼の態度が変化していく。不自然にスズヤに対して優しいと言えばいいのだろうか。
何故か望んだ方向とは真逆に進み、本音がポロリと溢れれば「うるせー!」と頭の上を何か柔らかいもので叩かれる。
「……よりによって砂まみれのビーチサンダルで殴るんだ」
「てめーが余計なこと言うから悪い」
余計なこと言ったから髪の毛を砂まみれにさせて構わ無いなど、おかしな言葉であろう。
そんな自己中心的な言葉に深く突っ込みを入れず、スズヤは「シャワー浴びたい、けど絶対浴びたら身体中痛い」と後味わう地獄を考えながら、髪の毛に付いた砂を払い落とした。
「……ホテルまで歩けるか?」
「歩けるから、さっさとそのサンダルちょうだい」
素足でホテルに戻る訳にもいかず、仕方なくスズヤは彼にお願いしてみるも、ビーチサンダルを持っている本人は顎に手をかけ、下から上、上から下とスズヤを眺め始めては、「マナブも持てたし、軽そうだからいけっか」なんて独り言を呟き始めた。
そんな意味深な行動にスズヤは「まさか」と一歩下がってみせるが、少々行動が遅く。一瞬のうちに体が宙に浮き、想定内と想定外が交差し、「何故こうなる」と思わずにいられなかった。
「ちょ、ふざけるな……!」
「ふざけて野郎を姫さん抱っこなんてしねーよ」
前回はマナブに肩で抱えられ、今回は兄に抱えらる。しかも、女子が喜びの雄叫びを上げるであろうお姫様抱っこときたものだ。
抱えらる可能性は考えていたが、まさかの対応にスズヤはリクトの腕の中で暴れるが、マナブとは訳違い、馬鹿力相手になればひ弱なアルビノの足掻きなど通用せず。
「普段なら女でもしねーんだ、ありがたく思え」
「ありがたくも無いし、むしろ迷惑だから……!」
ハワイに来てからと言うもの災難続き。
何故ここまで自身は悪運強く産まれたのか、一部でいいのでアスカから運を分けて欲しいと願う少年。
そんな彼は数秒後、暴れの行動をぴたりと止めた。
理由はとても単純で、飛行機での長旅で疲労が溜まり、海の事件で疲労が溜まり、挙げ句の果てに暴れ疲れ。
体力が底を尽き、スズヤは「もう全てが面倒くさい」全てを投げ出すかのように額に手の甲を押さえつける。
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