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※俺が妄想してニヤニヤしてるだけ
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少しだけ残業して業務を終えた俺は、
一日ぶりに自分の家に向かって車を走らせていた。
比較的早めの退社である。
今日こそは仕事後の一杯でも堪能しようかなとか思っていた。
…
と同時に、
別の事に関しても、
微かに頬を緩ませていた。
「桐嶋さん…
怖かったけど可愛かったなー…」
あの時個室で追い詰めた時、
あんなに近くで桐嶋さんの息遣いを聞いた。
驚いてヒュッと息を吸った口を俺のそれで塞いだ瞬間、
かたく目を瞑った桐嶋さんのまつ毛が、小さく震えるのを見た。
そして舌を絡めてみると、今度は愕然とした様子でこちらを見てまごつき出した。
駄目だとわかっていても止められない程に、
嫌がっていても構えない程に、
己の欲のままに動いてしまった。
…あの柔らかい唇にあの反応は、なんというか癖になるというか。
触れてはならない聖域に踏み入ってしまったというか。
まぁ、その後にはキレッキレの右ストレートを御見舞されたわけなんだけど。
じわじわと痛む左頬。
そのガーゼを摩りながら、桐嶋さんとのキスを思い出してまたにやける俺であった。←
あんなに拒否されて、きっと今まで以上に嫌われたのに、
今こんなに幸せに満ちてる自分は、
一体何なのか。
「次は手でも握ってみようかな…」
ぎょっとした後に物凄く嫌そうな顔をされるか、えげつない握力で握りつぶして来るかだな。
それでもいい。
俺はきっと、
あの人の反応が見たいんだ。
普段見せないような色々な表情が見たい。
そしてそれを独り占め出来ている事実を噛み締め、密かにほくそ笑みたい。←
想いをはぐらかすことをやめたその時から、俺の心は、横暴で強面な2歳年上の上司への『好き』一色である。
その純愛ぶりといったら、
まるで真っ黒だった腹の中が浄化されていくようで。
そう、それは色で言うなれば薄桃色のような、初めて恋をしたようなふわふわした感覚……
まぁ如何わしいことも考えたりするけど。←
以上の文章を読んで、
「なんだこいつ大丈夫か」と失笑した人は正しいと思う。
俺はここ最近、
もはや自覚する程におかしいのだ。
「あれ。また桐嶋さんからメール来てる…」
噂をすればというやつだな
仕事の話かもしれないのにニヤニヤしてしまうなんて、俺の口角筋も馬鹿になったもんだ。
「ま、後で確認するかー」
妄想を繰り広げるうちに家に着いた俺は、
冷蔵庫で待っている缶酎ハイを楽しみに、軽い足取りで自分の部屋に向かった。
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久々のアルコール…
今夜は気分がいいから、がっつり飲んで独りではめ外して寝ようと思う。
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