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週末はエロい気分になりやすいとか
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「案の定だな。
優人のやつ、地元に帰るってよ」
その昼休憩から数時間を有したのち…
実に、ほとんどの社員が退社を終えた八時過ぎのことであった。
桐嶋さんの携帯へ、一件の連絡が届いた。
『俺は生まれ変わりました。』から始まる簡潔なメール…
まずなぜ敬語なのかに突っ込んだが、スクロールすれば、もっと面白いことが書かれてあって。
目を通しながら笑っていると、
桐嶋さんは俺の肩にポンと手をついて、「笑ってやるな、多分本気で打ってるから」と呆れた声で呟いた。
「はは、すごい豹変よう。
それもこれも、明海さんのおかげですね」
「まぁ…今回ばかりは感謝するわ」
やれやれといった様子で椅子の背にもたれ掛かり、「やっとお荷物が居なくなった」とか零しているが、
きっとこの人も内心では、
あの破天荒な青年の今後を応援していることだろう。
…多少だらしなくたって、弟には変わりないからな。
「明るいバカ。に、心動かされる明るいバカ。
気楽でいいよな、ああいうタイプの奴らは」
「桐嶋さんもあまり力まないで、
少しは肩の力抜いたらどうですか」
「それは仕事にか? それとも恋愛にか?」
カタカタとパソコンに文字を打ち込みながら、しれっとして聞いてくる桐嶋さん。
「今のところ…どっちもです」
仕事に恋愛。人間関係。
何事も重く考えるくせのあるこの人は、
そういう点でも、明海さんのようなタイプとは波長が合わないんだろう。
…だからといって、軽く考えろとは言わないけど。
明海さんの恋愛論にのっとって言うなら…
見えない未来を心配するより、
少しは俺との恋を…もっとこう…
楽しんで欲しい、みたいな。
「…ま。そうだな。
お前がそう言うなら、ちょっと休憩する」
打ち込み作業を中断し、
ぐだっとデスクの上に突っ伏する桐嶋さん。
いや。
肩の力を抜けって別にそういうことじゃないんだけど……まぁ、いいか。
近頃はずっと、ピリピリした仕事モードかご機嫌ななめかだったからな。
「思えば、二人きりで残業ってのも久々ですよね」
がらんとしたオフィスを眺めて、俺もひとつ伸びをした。
静かな空間に二人だけ。
なんだかこれまでの騒々しさと比べて、違和感を覚えるほどだ。
…週末はみんな早く帰りたいんだろうな。
明海さんですら、見たいテレビがあるからとか小学生みたいな理由つけて家に帰ったくらいだから。
「この時期、ぞろぞろ飲みに行くやつ多いしな…」
うつ伏せのままボソボソと話すこの人に、
「俺たちも行きますか」と冗談を言えば、「そんな暇ねぇ」と突っぱねられてしまう。
「仕事…珍しく煮詰まってるみたいですね」
疲れてるみたいだし、いつもの桐嶋さんにしては進行が遅れているようにも思う。
心配したつもりだったんだが、「お前が言うか」と、不機嫌そうな目に睨まれてしまった。
「新人に渡す営業マニュアル作ってんだよ。
それが案外時間食うもんだから。
…まぁ。いつかの時と違って、覚えがいい奴らで助かるけどな」
そうやって、
いとも嫌味っぽく言った後に、馬鹿にした笑みを浮かべる。
…そのいつかの新人が俺のことだと。
そう言いたいんだな、桐嶋さんは。
「うーわ。もう知りませんからね、
そんな酷いことばっかり言う人は……」
カチンと来たままに手を伸ばして、
何かしらちょっかいを出すためにこの人に触れようとして、
触れてみてから、何だか妙な感覚を覚えた。
(…あれ、なんか、
この感じ……わりと久々かも)
指先で少し触れただけなのに、腹の底からふつふつと湧き上がってくるような。
昨日いちゃついた時にはなかった、
あの穏やかな俺にはなかった、
体内に孕みくすぶる、変な熱。
「せなか…あったかいですね…」
意味もないことを呟きながら、この熱の原因を探る。
…結局よくわからないが、なんか、つまりはあれだ。端的に述べて、
妙にムラッとくるんだよな。
「あーちょうどいいとこに手が。
そこ揉んでくれ、すげぇ凝ってんだ」
……それなのに。
この一大事で、
当の桐嶋さんは、最高に無防備な姿さらして脱力してるし。
警戒心のかけらもなく、指圧マッサージを要求してくるし。
結局使いパシリかよ!
って思いながら、ちゃんと言うこと聞いてあげる俺も俺だけど。
「ぬるいマッサージだな。もっと力入んねぇのか?」
「う…だって。何だこれッ、
石でも入ってるんでしょうか、ねッ」
痛くないのかってほど拳をぐりぐり押し込みながら、
俺は、久々に近くで見たこの人の後ろ姿に、なんとなく違和感を感じた。
「なんか桐嶋さん…ちょっと痩せました?」
「あ? 別に。変わりねぇけど」
腰周りを軽く両手でつかむ。
そりゃちゃんと筋肉もあるし、
痩せたと言っても俺よりしっかりしてるんだけど…
前に増して、いい締まり方したよな。
「ほらやっぱ。仕事頑張り過ぎですって…」
元々の骨格が出る腰回りは、今もちゃんと俺の手にフィットする。
それより上はひたすら固くて…
むにむにしても揉むところがない。
余計な肉がなく、薄く凹凸のある、ただの男の腹だ。
……そのただの男の体に…
なんでこんなにも、変な気をそそられるんだか。
「……」
「おい、アホ。何してんだよ」
シャツの裾からするりと片手を忍ばせる。
背後の異変を察したらしいこの人が、
抱き寄せる腕を引きはがしながら、軽くたしなめてきた。
「何って…部下の手厚いマッサージでしょ」
ふざけたことを抜かしながら、さらに覆い込むような体制をとる。
駄目だってわかりながら…
もっと悪戯したいって、この人を逃がしたくない自分がいるんだよな。
「!? や…ちょ、やめろって…」
ごそごそとズボン越しのまだ柔らかいものを弄ってみたり、片手はこの人の弱い所を探ったり。
服を着ていてもわかる、胸の敏感に尖った部分を指でつまむ。
カリカリと引っ掻く。
「やめッ…う、ぁ……っ」
「はは、えろい声上げちゃってまぁ…」
どこもかしこも相変わらず敏感なことで。
軽い刺激を送るたび、
地団駄を踏んだりビクッと肩を跳ねるのが面白い。
真っ赤になって声を我慢しているのも可愛い。
ほんと…
この人のこういう姿は、見てて飽きないな。
「ふ…こら桜庭、
さ、くっ…ん…ん゛ッ!!」
エスカレートする手つきに耐えられず、桐嶋さんの膝が机を蹴った。
バサバサと散らばり落ちる資料を見て、こちらを睨みつけてくる。
「…っの野郎…!」
そうやってまたすぐ怒るんだから。
恨むなら、ちょっと弄っただけで簡単に感じる自分の体を恨めよ。
「すいません」なんてまた口だけで謝りつつそんなことを考えてる俺は、本当にクズだ。
「離せ! 駄目だっつってんだろ…ッ
ほんと、いい加減にしとけよ」
いつも最初は抵抗されるけど、何よりここはオフィスの中だ。仕事を広げたデスクの前だ。
本気で嫌がって振り払ってくるから、こっちも余計にムキになる。
「しっかり固くしてるくせに…それ、どう処理するつもりですか」
「うるせぇな! お前のせいだろ!」
痛そうなほどズボンを押し上げているもの。
俺に指摘され、グイとシャツを引っ張って隠す。
ちゃちゃっと抜いちゃえば済む話ですよ、と誘っても、この人は首を振るばかりだった。
「絶対流されねぇからな…ッ
俺はもう会社でそういうことはしねぇって決めたんだよ」
かつての事件が相当応えたか…
堂々と宣言してるけど、言ってる内容すごい当たり前のことだし。
それにまぁ…
そんなところで真面目ぶったって、今さら無駄だと思うけどな。
「ふーん。
簡単に勃たせても、神聖なオフィスで出したりはしないと。
いや偉いですねーさすがエースは心意気が違う」
馬鹿にした棒読みをきめつつ、桐嶋さんのズボンのチャックをゆっくり引き下ろす。
そして、
にんまりと、自分でもわかるほどいやらしい笑みを浮かべてみせた。
「…じゃあ。
はしたないもので床汚さないように…
何されても、ちゃんと我慢してくださいね」
性犯罪者もどきのドクズはここです。
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