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to throb Ⅱ〜side月島〜
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「…蛍」
急に真剣な目で名前を呼ばれて 心臓が破裂するんじゃないかってくらい騒ぎ出す
それくらい破壊力の強い黒尾さんの視線と無駄なイケメンボイス
腰にあった手がまた後頭部に伸びてきて、グッと引き寄せられたから目を閉じた
さっきよりも長い口付けに息苦しくなって少し口を開けた瞬間、舌を差し込まれた
教室には似つかわしくない水音が響いて、黒尾さんの肩に置いていた手に無意識に力が入る
「…はぁ」
酸素を求めていた筈なのに離れるのが寂しい
そんな事を思っていたら頬を手の甲で擦られて、胸の奥が苦しくなった
「蛍ちゃん、俺の事最初から好きって思ってくれてたんなら もっと早く番になってくれても良かったじゃん」
「…だって何か胡散臭かったし」
「え〜 俺胡散臭い⁇」
「自覚無いんですか⁇」
「こんなに真剣なのに⁇」
「だって黒尾さん 人たらしじゃないですか」
「ん⁇」
「だから…あんな風に女の人が寄って来るんでしょ…」
「…昼のはちゃんと断ったからな⁇
それに俺がっていうか、αが好きな奴もいるから」
「まあ、そういう人もいるとは思いますけど…
でも黒尾さんからは、なんて言うか…そういうオーラが出てますから」
「どんなオーラよ⁇」
「なんか…18禁なオーラ」
「何それ⁉︎ 俺まだ17歳ですけど⁉︎」
改めて年齢を言われると疑いたくなる
それくらい僕にとっての黒尾さんは大人びて見えるし、性的な意味でも他人を惹きつける力があるように思えてならない
「兎に角、黒尾さんは歩く18禁なんです」
「俺めっちゃヤバイ奴じゃん」
「そうです
めっちゃヤバイ奴です」
自分の額を黒尾さんに付けると、カシャッと眼鏡が当たる音がした
「だから黒尾さんは もう僕以外の人に愛想良くするの禁止です」
「…蛍ちゃんさ…さっきから誘ってるよね⁇」
少し体が浮いたと思ったら硬い机に押し倒された
真剣なのに何処か余裕の無さそうな顔に、今まで感じた事の無い気持ちになる
「俺、今は流石に何も持ってないけど…良いの⁇」
「…うん」
本当は大丈夫なのか自信無い
でも次この教室に入る時、また僕の事思い出して欲しいから
「…蛍」
真剣な声で名前を呼ばれた後、指が絡められてギュッと握り返した
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