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depression Ⅶ〜side黒尾〜
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「うん⁇」
俯いた後に ヘラッと笑ったメガネ君は
いつもと明らかに様子が違う
てっきり生意気な反論が来ると思っていただけに
今返ってきた言葉には 拍子抜けしてしまった
何かフォローを入れた方が良いとは思うのに
何をどう言えば良いのか解らない
そうこうしている間に
うちの連中が ぞろぞろと入ってきて
体育館が 一気に賑やかになっていく
「じゃあ 僕 御役御免っぽいんで 失礼します」
「なぁ⁉︎ おい‼︎」
伸ばした手は 空を切ってしまい
綺麗な背中は 此方を振り返る事無く
暗闇に消えて行ってしまった
「…なんか地雷踏んだんじゃないっスか⁇
黒尾さん」
「…え」
赤葦の言葉は 俺の考えを肯定する様に響く
「おっこらした〜
大失敗じゃん 挑発上手の黒尾君⁇」
木兎の揶揄う様な物言いにも返す言葉が無い
「…いや…だって 思わないだろ」
「何を⁇」
「烏野のチビちゃんは
確かに得体が知れないし 脅威だけど
技術も経験もヒヨコだろ⁇ それにあの身長だし
それをあの
身長も頭脳も持ち合わせてるメガネ君が
チビちゃんを対等どころか
敵わない存在として見てるなんてさ…」
俺の想像より ずっと彼は繊細な様だ…
「………」
俺は 頭を掻きながら 後ろを振り返った
「夜久 俺ちょっと用事出来たから
そこにいるバカの特訓変わって…く…」
「あ⁇ 何か言ったか⁇」
俺が言うよりも早く
夜久は リエーフに向かってボールを構えていた
俺はといえば「いえ…何でもありません」
とだけ言い残し 体育館を離れたのだった
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