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「たっくよぉ 何なんだよ黒尾‼︎
俺 赤葦と入りたかったのにー‼︎」
木兎が水面を叩く度に 俺の顔に雫が跳ねる
それを鬱陶しいと思いながらも何も言い返せず
適当に相槌を打った
「だぁから 偶には良いじゃねぇかよ」
そう宥めても ブーブーと文句を言う木兎
その時 ガラガラッと音を立ててドアが開き
木兎に負けず劣らず喧しい声が風呂場に響いた
「あー‼︎ 疲れたー‼︎ あちー‼︎」
「…リエーフ うるせぇ」
俺がそうぼやくと リエーフがキッと俺を睨んできた
「そんな言い方しなくても良いじゃないですか‼︎
黒尾さんが居なくなった所為で 俺 夜久さんにまで
こってり絞られたんですからね‼︎」
「あっそ 別に良いじゃねぇか
大好きな夜久さんと一緒で幸せ〜
とか言っとけ…」
「幸せなのは レシーブ練以外です‼︎」
ブツブツ言いながらシャワーに手をかけ
汗を流したリエーフは 俺の隣で湯船に浸かり始めた
「…でも良いじゃねぇか」
逆隣では
木兎が風呂の縁で 重ねた手の甲に顎を乗せながら
唇を尖らせている
「番なんだろ⁇ 正直…羨ましいぜ」
木兎の発言を聞いた俺は 大きく息を吐いた
「番になったって言っても コイツが入部初日に
背中向けた瞬間の 警戒心ゼロな夜久の項に
いきなり噛み付いたんだぞ⁇
しかも Ωかどうかも訊く前に…
んで ブチ切れた夜久にボッコボッコに殴られたんだぜ⁇
夜久が コイツの事 番相手として認めてるかは 別問題」
俺がそう良い放つと リエーフは怒り半分 泣き半分の様な
そんな表情をしている
「そ そりゃ‼︎ 夜久さんから
ハッキリした言葉はもらった事ないですけど…
でもでも‼︎ 絶対俺の事好きです‼︎
俺といっぱい喋ってくれるし‼︎
俺と 一緒に帰ってくれるし‼︎
俺に 一番構ってくれてますもん‼︎」
リエーフは
両手を握りこぶしの状態にしながら上下に振っていて
その様は 小さな子供の様で かなり笑えた
「悪い男に引っかかってる女子みたいな事言うな
ただ単に お前が 一番面倒かけてるだけだろうが」
面倒という言葉が気に障ったのか
リエーフは 不満気に頬を膨らませている
「そんな事ありません‼︎ この前だって…」
「「この前⁇」」
木兎と声がハモってしまい
二人で リエーフの次の言葉に注目していた
「…その…この前…夜久さん…
番になってから 初めて発情期来たんですけど…」
「…それで⁇」
木兎は俺の肩に手を置き 身を乗り出している
確かに かなり気になる内容だ
リエーフの無駄に整った唇が動き
俺達は 今日一番真剣に リエーフの話に耳を傾けた
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