アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
each Ⅴ〜side夜久〜
-
「や〜っくん♡♡」
部屋に入ろうとした俺の背後から 薄気味悪い声と同時に
ポンッと両肩に手が置かれて ゾワリと鳥肌が立った
「…何だよ 気持ち悪りぃな」
振り返った先で 黒尾がニヤニヤしながら
俺と視線を合わせる様に屈んでいて
それだけでかなりイラッとした
「なぁ… お前菅原と仲良いだろ⁇ ちょっとさ…
烏野のメガネ君の事 訊いてきて欲しいんだよな♡」
「は⁇」
突拍子の無いお願いなんて この言葉以外出ない
「意味わかんねぇよ 聞きたいなら自分で訊けよな」
シッシッと手で払ったつもりなのに
黒尾がニヤけ面を引っ込めない事に眉が上がる
「ねぇねぇ やっくんさ〜」
そこまで言うと 俺の耳元に口を寄せ コソッと囁いた
「…この前 部室でリエーフと 何してたのかな〜⁇♡」
「あ⁇」
「神聖な部室であんな事して良いわけ⁇」
「はぁ⁇ 何言っ…て…」
バカバカしいと思ったのも束の間
先日の出来事を思い出した俺は
ボンッと 顔から湯気の出る音を聞いた様な気がした
「な⁉︎ 何で⁉︎ おま‼︎」
「まっ お前が嫌なら仕方ないよな
俺 今から菅原の所行ってくるわ
ああ でも…」
黒尾は頭の後ろで腕を組み
悪そうな顔をしながら 俺を横目でチラリと見た
「菅原と話してたら…な〜んか違う話もしちゃいそ♡」
「…て…てめぇ」
俺が怒りで震えていると タイミングの悪い事に
廊下の向こう側にスガ君と澤村が歩いて来た
「あ‼︎ 丁度良かった‼︎ 菅原〜」
「黒尾‼︎ ちょっと待て‼︎」
駆け出した黒尾に飛び蹴りを食らわすと
前のめりに倒れた上に跨って 何とか動きを封じた
「…どうしたの⁇」
その時 俺達の横に来ていたスガ君が
心配そうな顔で足を止めた
「何でもないよ‼︎ ちょっと変態が居たから成敗してた‼︎」
「それは思う存分やってくれ」
澤村が笑い飛ばしてくれたのを幸いに俺もニカッと笑った
「おう‼︎ 任せろ‼︎」
スガ君が ひらひらと手を振りながら俺達の横を通り過ぎ
遠ざかったのを確認してから 下にいる奴に目を移した
ピクピクと動いていたかと思うと
俺が退いた瞬間 涙目で振り返ってきた
「…痛たた 何す」
反論しようとした黒尾の胸ぐらを掴むと
壁に音を立てながら長身の体を押し付けた
「…スガ君に余計な事言ったらブン殴るからな⁇」
自分でも驚くくらいの低い声に
黒尾からヒッ‼︎と声が上がる
「もう手出したよな⁉︎」
「出したのは足だ‼︎」
「そこ⁉︎」
俺達が言い合いをしていると
丁度研磨が来て 呆れた顔で俺達を見たかと思うと
控え目に息を吐いて 無言で部屋に入って行ってしまった
その様子を見たら 今の自分の現状が恥ずかしくなり
黒尾から手を離した
「…で⁇ 何だよ⁇ メガネ君って…」
俺がそう尋ねると 黒尾はパーッと明るい顔をした
「烏野の‼︎ 11番‼︎
何でも良いから 彼の情報が知りたいんだよ」
「…何で自分で訊きに行かねぇんだよ」
「え⁇ だって俺が行ったら 何か疑われそうじゃん
夜久が行った方が教えてくれそうだし」
「………」
意外と自分の事は判っている様だ
俺はといえば 何が何だか 正直よく解らないが
息を吐き出すと同時に 覚悟を固めた
「…上手く訊けなくても文句言うなよ」
「さっすが夜久‼︎ 頼りにしてるぜお母さん♡」
「誰がお母さんだ‼︎」
イラつきをぶつける様に 目の前の鳩尾に一発入れると
その場に踞る黒尾を置いて
先程通り過ぎて行ったスガ君の元へと向かった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 99