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鬼灯様が自室から出てこない。
そんな話をお香ちゃんから聞いたのがつい先程。
冷え性の薬を取りに来るついでと言っていたけれど、あいつが仕事をそっちのけで部屋に引き篭もるだなんて珍しい。
体調不良だという話らしいが、部屋には誰も入れないようにと人払いをしているんだとか。
「他人に伝染すのが嫌だってことなのかもしれないのだけれど、少し気になって」
「確かにあいつならそう言うかもしれないねぇ……桃タローくん、ちょっと僕行ってくるけど」
「あぁ、はい。わかりました」
「あら、鬼灯様を診てくれるの?」
「薬くらいなら作ってやれるだろうからね。それに、お香ちゃんのお願いなら放っておけないし」
「お願いしたわけではないのだけれど…、そうしてくれると嬉しいわ」
鬼灯にもしもの事がある、なんてことはそうそう無いだろうけれど、何となく察しはついていた。
確か時期的にそろそろだろう。
「僕の方がもつかなぁ…」
誰に言うでもなく、ぽつりと呟いてから僕は適当に荷物を纏めてアイツの元へ向かった。
「私は誰も近付けないように言った筈ですが」
「はいはい、見栄張ってないで黙って診させろ」
「必要ありません」
部屋に入るなりベッドに腰掛けていたヤツに明らかに不機嫌な顔で睨み付けられた。予想通りの反応すぎて苦笑するけれど、暗がりの中で光るその目には怒り以外の色が含まれている事に気が付く。元々そうだろうとは思っていたけれど、予想は的中したようだ。
「……“そろそろ”だろ、お前」
「何がです」
「惚けんなって……発情期だよ、お前の」
「……、……」
そう、発情期。
別に普通の鬼は発情期というものはないし、多少性欲が高まる時期があっても人とそんなに変わらないし、特に問題はないのだけれど。
こいつの場合特殊な生まれ方をしたからなのか、発情期があるらしい。
周期が決まっている訳ではないし、それなりの頻度で性行為をしていればならないというわけでもない。
しかし尋常ではない程の衝動に襲われるのだとか。
「遠慮してないで、さっさと僕のとこに来ればいいのに」
「別に、遠慮なんかじゃありませんよ」
「ふーん…何でもいいけど、発散しちゃえば?」
「近寄るな」
「お前の言うことを聞くと思ってるの」
まるで毛を逆立てた猫みたいだ。
ふ、と思わず笑みが零れる。
ただでさえ目付きが悪いのに、普段以上に眉間に皺を寄せて睨んでいる相手へ手を伸ばしてそのまま頬を撫でると、びくりと肩が跳ねて眉間の皺が深くなった。
「いいから抱けよ、僕が全部受け止めてやるから」
言い終わるのと同時にベッドへ押し付けられて唇を塞がれる。
予想はしていたけれど、余裕がないからかかなり乱暴で、打ち付けた背中が痛い。
荒々しく口内を這い回る舌はいつもより熱い気がした。
「ん、ふ…ぁ、っ」
「…っ、は」
「ほー、ず…っん、っぁ─ッ!」
唇が解放されて視線が絡む。
ふー、ふー、と獣みたいに息を吐く彼の名前を呼びかけたところで、裾から入り込んだ手が胸の突起に爪を立てた。
声をあげれば首筋に噛みつかれて息を飲む。
ぎりぎりと食い込む犬歯が痛いのに、爪を立てられたそこを指先で押し潰され、痺れるような快感が広がる。快楽に酔いしれる前に再び鎖骨へ歯を立てられて僕は小さく呻いた。
痛い、痛いけど、気持ちがいい。
決して優しくない愛撫でも、身体はしっかりと快感を拾い上げていて、期待するように身体の奥が疼いた。
「ぅ、あっ…ぁ、ん!」
「っ、はく、たく……さん」
ぐっ、と服越しに押しつけられた怒張は正に限界と言った様子で、切羽詰まった声が僕の名を呼ぶ。
凶悪なサイズのそれが中を掻き回す感覚を思い出して思わず身震いした。
本当ならこのまま挿入れさせてやりたいけれど、何の準備もされていないそこを今すぐに抉じ開けるのは流石に無理だろう。
それならば…と自分の唇を舐めながら誘うように指差す。
「ねえ。辛いなら僕の口、使ったら?」
軽く首を傾げるようにしてそう言えば一瞬苛立ったような目で睨まれたけれど、やはり限界だったんだろう。下履きを下ろして現れたそれはいつも以上に張り詰めているように見える。
思わずごくりと喉を鳴らして吸い寄せられるように顔を近付けるとちろり、と軽く舌を出して表面を舐めた。
「っ……」
「は、すご……ん、む」
びくびくと脈打つそれを前に大きく口を開けて、そのまま入れられるところまで咥え込む。
やっぱり、いつもより質量が増してる。
入りきらない部分は手で擦り上げながら、じゅぷじゅぷと頭を上下に動かせばくしゃりと髪を掴まれた。
構わずに裏筋に舌を這わせたり時折軽く吸い上げれば、ぐっと指に力が込められて少し痛い。
声を出すまではいかないけれど、耳に届く熱い吐息がちゃんと感じてくれていることを伝えてきた。
「っは、ん、ふ……ぅ」
「っ、……く」
もうそろそろだろうか、そう思ってちらりと見上げれば何かを耐えるような顔をしていて、ばちりと目が合った。
すっ、と目が細められて髪を掴んでいた手に力が込められる。
あ、やばい。
本能的に危機感を感じて頭を引こうとしたけれど、普段金棒を振り回しているこいつに力で勝てるはずがなく、そのまま引き寄せられて喉奥を強く突き上げられた。
「─ぅぐっ、ん!んン゙!」
思わず嘔吐くのもお構いなしにガツガツと腰を振られて何度も何度も喉奥を犯される。息苦しさと気持ち悪さに生理的な涙を溢れさせながら、歯を立てないように喉奥を開けた。
早く終わらせろと言わんばかりに睨み付けると
「っく!……は、ぁ」
「ん゙んっ、ぅ、……っふ」
喉奥へ熱い飛沫が叩き付けられ、反射的に嚥下する。
出し切ってからずるりと引き抜かれたそれはまだ勢いを失っていない。一度くらいじゃ満足しないことは知っていたけれど、相変わらず凶器だ。
「ぅ゙、っけほ、いきなり腰動かすなよバカ」
「煽ったのは貴方です…」
瞳はまだぎらりと光っているが一度出したからなのか、多少会話する余裕は出来たらしい。
安堵したのも束の間、とん、と肩を押されベッドに倒れ込むとずるりと下着ごとズボンを下ろされ、膝を胸につくくらい折り込まれる。
「う、わ、ちょっ、と?」
「こちとら早く中にぶちこみたいのを我慢してやってるんです。大人しくしてなさい」
「大人しくっ、て、何するつもり……ひぁっ!ぅ、うそ、ば、か!」
大人しくしろと言いながら臀部に近付く顔にぎょっとして制止しようとするも、そのまま後孔をべろりと舐められ上擦った声が漏れた。
ローションでも何でも使って解せばいいのにどうしてかそのまま舌を這わされる。流石に恥ずかしい汚いと抵抗しようとするが「じっとしてろ。握りつぶされたいか」と急所を強い力で握り込まれてしまって萎縮した。
むり、握り潰されるのは嫌だ。
「ぁ、ど、して…ひぅっ、そんなとこ舐め、んの!」
「ん…嫌ですか?」
「ぁっ、嫌だって言ってる…ぃ、あ!」
「その割りに感じてますよね」
「うぁっ、も、やだ、や、だぁ!」
皺の一つ一つを丹念に舐められて時折軽く舌を中に潜り込ませて解すように動く。
決定的な快感は得られないしもどかしいけれど、それ以上に羞恥が勝っていて、嫌々と首を降り続ける僕にぴたりと動きを止めた鬼灯は軽く首を傾けた。
「じゃあ慣らさずに挿入れますか?」
「ぅ…無理、いきなりそんなのはいんない」
「なら、我慢してください」
「っ、わざわざ舐めなくたっていいだろ!ローション使えよ!」
「こっちの方が興奮しますよ」
「恥ずかしいからやだっ、て、ぁ、っん!」
再開される愛撫はもう止める気がないらしい。
抵抗したところで無駄なのはわかっていたけれど、まさかこんなことをしてくるだなんて思っていなかった。
ぬるりとナカへ侵入する舌が内壁をぐいぐいと押し上げるけれど、指で解される時よりももどかしい。
「んぃっ、ぁ……も、ゆび、ぃ」
「指が、なんです?」
「も、ほしい…指、いれて?」
上手なおねだりの仕方、なんてものを叩き込まれずとも、そういう知識は腐るほどある。
尻たぶを両手で開いて、潤んだ瞳で悩ましく眉根を寄せればはい、できあがり。
淫乱だと言われようと僕には関係ない。
気持ちが良いことが好きなだけなんだから。
おねだりの仕方に満足したのか、早くぶちこみたいからなのか、開かれたそこへ指が入り込んでくるりと中を掻き回した。
「はぁぁっ、あ、ん…!」
「この様子ならもう二本はいけそうですね、準備でもしてきましたか?」
「んっ、べ、つに」
直前に準備はしていないけれど、昨晩ちょっと物足りなくて一人で慰めていた。だなんて言えるわけがないし言いたくない。
ふい、と目を逸らすと不意をついて指が増やされ、善いところを引っ掻いた。
「ひぁっ、ぁ、ん、そこ、だめ」
「好きなんじゃありませんでしたか、あぁ、押し上げるのが良いんでしたか」
「やぁあっ!ぅ、だめ、だってば、出ちゃう、から!」
びくびくと腰が跳ね上がるのを至極愉しそうに見下ろす鬼神は、それでもいつもよりは余裕がなさそうで、そのくせちゃんと慣らしてからと気を遣ってくれている様子にふ、と笑みが零れた。
多少乱暴に抱かれてそこが切れようと、どうせ直ぐに治ってしまうのだから気にしなくていいのに。
三本目の指が挿入されようとしたところで、僕はとうとう我慢できなくなって彼の手首を掴んだ。
「……どうしました?」
「も、いいから。挿入てよ」
「まだ慣らしきってませんよ」
「いいってば。多少痛くたって構わない。お前も限界越えてんだろ、ほら、早く」
そう言ってぐっと首を引き寄せて口付ければ、あっという間に主導権を奪われて、呼吸を奪うように貪られる。
このまま窒息しても気持ち良さそうだ、なんてことを考えてると心を読まれたのか唇が解放され軽く睨まれた。
「ん、あれ、怒ってる?」
「今、余計なことを考えてませんでした?」
「ん?んー、お前になら殺されてもいいなーって考えてた」
「殺すも何も死なないのでしょう」
「うん。死なない。けど、だからこそお前を受け入れられるんだろ…いっそ壊れるくらい抱いたっていいし」
「変に煽らないでくださいよ、今私がどれだけ気持ちを抑えているのかわかって─」
「だから、そういうのいらないってば。全部ぶつけろよ、受け止めてやるから」
ぷつん、とこいつの中で何かが切れる音が聞こえた。
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