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自分が動かなくったって、気付けば俺を好意の目で見てくる奴がいた。
当たり前のようにあしらっていたが、俺の現状は自分の気持ちを肯定する事さえ出来ていない。
だって、認めた所であいつが俺とどうにかなるなんて事、有り得ないだろ。
もし、委員長が女だったら、とか。
俺が真面目で委員長と親しくなれるような人間だったら、とか。
たらればの想像をした所で、残念ながらどちらも男で、委員長で、不良だ。
「……気持ち悪い」
絞るように吐き捨てて立ち上がった。
吸い込んだ空気も、気分も悪い。
何より自分自身が気持ち悪い。
顰めっ面を直せないまま、今日家から出た事を後悔して帰路に就く事にした。
認めたって上手くいかない事が分かってる感情は、見ない振りをするしか無い。
例え答えが出ていても、分かりきった問題でも。
そう言えば初恋は実らないんだっけな、とか何処の誰に言われたかも分からない言葉を思い浮かべてから、
いやいや、恋なんてしてねぇよ。
ともがく様な気持ちで上書きした。
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