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あの時、あの屋上に居たのは俺達だけじゃ無かったのか?
誰かが俺の言った事を聞いていた?
俺が言った根も葉もない作り事が、噂になるまで広まってしまったのか?
自分がしてしまった事の大きさに気付いて軽いパニックに陥る。
その態度が答えとなって委員長に届いた時、委員長は何故か動揺しているように見えた。
「…やっぱり、お前なんだな」
その声はなんとなく思った通りだ、とは感じていなさそうな響きをしている。
「ごめん」
悪かった、と否定のしようがない俺は人生で初めてでは無いか、と思う程に真摯に謝った。
そんなつもりは無かったとは言え最低な事を口にしたのは事実だ。
言い訳さえ見つけられないまま頭を垂れていると、床の軋む音と共に目の前の人物の気配が無くなった。
「ど、どこ行くんだよ」
慌てて玄関に向かう委員長を追いかける。
無意識に相手の腕を掴んでいた。
「…帰る。」
きっぱりと冷たく言い放った委員長は、振り返りもせずに俺の手を振り払う。
「帰るって…っ」
そんなにふらふらな癖に。
とは思うものの原因が俺にある為に言えない。
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