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3 南河の敗北
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夢では無い事をどうにか確かめようとして首を掻いた。
爪と髪が擦れる感触がはっきりと伝わり、随分とリアルな夢だな、と高鳴る胸を誤魔化す。
後ろに着いてきているはずの委員長に意識を向けないように意識していると、袖を少し掴まれた。
まだアルコールが抜けないのか、気だるげな表情で見上げられる。
「ちょっと、ゆっくり歩いてくれ」
火照っている顔に釘付けになる。
次に、遠慮がちに服を引っ張る手に目が離せなくなった。
おいおい、拒絶どころか、誘ってるとしか思えねえだろ。
少し心を許すとこうなるのか?
いや、俺には許して無いだろ。
じゃあ、今のこの状況はなんだ?
永遠と自問自答を繰り返す。
繰り返した所で、答えは出ないままだ。
「一人で住んでるのか?」
委員長が思い出したように聞いて来た。
ぎくっとする。
「そう、一人で住んでる」
つまり、次の日の朝まで二人きりだ。
そうか、二人きりか。と改めて思う自分と、警戒されて、やっぱり帰るとか言われないよな。と心配になる自分が居る。
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