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「寺野、金曜日も何も無かったんだし、もう収まってるんじゃないか…ぁたっ」
しかしこのまま何時までも手を掛けさせる訳にもいかないと、おずおずと意見するとすかさずおでこに衝撃ををくらう。
どうやらでこぴんされたらしい。
それにしては痛すぎる。
「もっと危機感を持って」
ムッとした口調で言う寺野はしかし、俺が額を押さえて痛がる姿を見ると柔らかく笑った。
「木乃は大丈夫なのか」
寺野と木乃は何時も一緒に行動していた。
登校も、昼も、下校も。
未だおでこに手をやりながら聞くと、今度はぽんぽんと頭を撫でられる。
「ん、大丈夫。今はそれより京君のが大事」
最後に少しだけくしゃりと髪を乱すと、それだけ言って自分の席に戻ってしまった。
丁度担任が来たようで、騒いでいた奴らも静かに席につく。
普段余り表情を変えない寺野の微笑みに、溜まっていた疲れが落とされた気がする。
ありがとうと心の中で呟くが、やはり納得出来ない自分もいる訳で…。
放課後、どうやって断ろうかと考えを巡らせながら、ホームルームを始める担任の声を聞いた。
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