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「あの、その事なんだけど…あの噂、本当に南河が?」
思い切って聞いてみる。
これは昨日動揺して聞けなかったけど、どうしても確認したかったことだ。
確かに南河は初めて会話をした夜に、皆に言いつけるとか言っていたし、俺だって好きにしろと虚勢を張ってしまった。
だけどそれならどうして……
「君は優しいね。きっと少し違う面を見ただけですぐ信用しちゃうんだろうなあ」
男は少し考える素振りを見せた後で初めて表情を崩した。
困ったような、呆れたような…凄く自然だ。
それなのになぜか白々しいと感じてしまう。
きっと思い過ごしだが、俺の心の中全て覗かれているような感覚になった。
「そんなこと…」
忠告してやってるのに受け入れられない俺を、馬鹿だと思っているんだろうか。
「真面目で何時でも気を張ってて近寄りがたそうだけど、本当は凄く人懐っこいよね」
「……」
「ごめんね、責めてる訳じゃ無いんだ。ただ危なっかしくて。僕は嘘は言わないし、君には悪いけど、安全の為にもう南河君とは関わって欲しくないよ」
信じられないかも知れないけどねと言う言葉を付け足すと、水を一口、口に含む。
そうだ。俺は実際にその現場を見ていない。
だから信じられないんだ。
だけどその場に居た彼からしたら…
自分が逆の立場でも、近寄るなと彼と同じ事を言うだろう。
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