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再会 1 (士郎side)
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かくしてたどりついたリングでは、数組のペアが実戦さながらの戦闘を繰り広げていた。
どこだ……?
怒りと期待にドクドクと血が高ぶるのを感じながら視線を巡らせれば、まるで吸い寄せられるかのように互いの視線がぶつかった。
バチッ。
火花が散ったかと思った。
龍之介が勢いよく壁際から立ち上がったかと思うと、こちらに向かい駆けてきた。
「……!?」
二つのリングが二人を隔てていたのだが、何を血迷ったのか最短距離でリングの中央を超えてくる。
片方は素手での戦いだったため、素早さと腕っ節の強さを武器に強引に乗り切ったが、もう片方のリングではそうはいかない。
ギラついた双方の手には、研ぎ澄まされたナイフが握られていた。
「あのバカが……っ」
駆け寄り、リングのロープに手をかけた。
「来ンじゃねェ……!」
不思議なほどよく通る、毒のように甘い声に貫かれた。
まるで縫いつけられたかのように脚が止まり、ロープを握りしめる前で行われた、コンマ数秒の攻防戦。
襲い来る二人を相手にしながら、素手で刃物をいなす龍之介の顔には、嬉々とした鬼神のごとき笑みが浮かんでいた。
恐れ慄き引いた二人の間を、愛しい男が悠然と駆けて来る。
奪うように抱きしめられて、時が止まった気がした。
息が止まりそうなほどの力強さに、会えなかった時間のつらさが透けて見えるようで、怒り狂っていたのも束の間忘れ、胸が熱くなった。
「……オマエの方から来るなんざ、予想外だ」
耳元でおどけるように、龍之介が笑う。
「嬉しいサプライズだ。……どっかのアホウが気を利かせたか」
「……っ」
渾身の力で抱きしめ返せば、噛みつくような口づけが火照った首筋に降りてきた。
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