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愛しさ (士郎side)
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「……っ、ぁ……っ」
本来排泄するための汚れた器官を舐められている……その背徳感に、震えた。
見るからに王座に君臨すべき男をかしずかせている優越感は、何ものも変えがたいほどに征服欲を満たし、もはや他の誰かと触れ合ったところでまるで満たされないのだろう自分に震えた。
王者のように上から甘くなぶってきたかと思えば、極上の娼婦のように下から甘え、過度な快感になす術もなく喘げばそんなものかと突き放される。
「……もっと夢中にさせてみろよ。なァ……?」
「……っ、くそ……っ」
煽られていると知りながら、そんな風にけしかけられれば乗らざるを得ない。
さらに淫らに踊り狂えと、あたかも操り人形のごとく、すべて言いなりに動かされているがした。
焦りと悔しさで眼裏が焼けた。
おまえも少しは乱れてみせろと、傷に響かないよう横向きに寝かせたまま慎重に組み敷き、腿の上に乗り上げた。
「……で?」
揶揄するように眉を上げられ、闘争心に火がついた。
先ほど一度は奥まで開かれている。
いけるはずだと己に言い聞かせ、龍之介の雄々しい楔を手に取った。
触れてすらいないはずなのに、すでに驚くほど熱く硬く濡れている。
タラタラと滴り落ちる先走りは根元の辺りに淫らな溜まりを作り、ヒクヒクと震える度張りした楔は、早く早くと妖しく誘いかけてくる
「……っ、おまえは動くなよ……?」
「……仰せのままに」
ひどく優雅に首を傾げ視線を伏せた龍之介が、一転してなぶるように好戦的に見上げてきた。
「お手並み拝見といこうか」
もはや完全に遊ばれている。
悔しくて……なのにたまらなく魅了されて、敗北感ばかりが澱のように際限なく降り積もっていく。
濡れた黒曜石の艶っぽさ。
時折薄い唇の奥からのぞく、肉厚の紅い舌。
綺麗に鼻筋の通った雄々しい鼻にさえ、噛みつきたくなるほどの愛しさを覚えてしまうのだから、もはや病気だとしか思えない。
「……なんでオレばかり……っ」
思わず弱音を吐けば、
「……こンなに濡れてンのは誰のせいだと思う?」
他の誰に対しても、これほどは濡れねェよ、と一転して極上の声と瞳で甘やかされた。
「嘘をつけ……っ」
誰と寝たって濡れるくせに。
「そりゃまァ、見た目は同じかもしンねェけどよ」
龍之介が濡れた額を手の平で拭いながら黒髪をかき上げた。
「他のヤツには欲望で濡れる。……けどオマエには」
……愛しさで濡れるンだぜ?
耳の奥深く……毒のように甘い声に脳まで犯された気がした。
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