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会いたい(士郎side)
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龍之介が出て行って以来、禁欲状態にあったせいか、一度放ってもまったくと言っていいほど収まってくれない下肢の熱に、途方に暮れた。
手の平の大量の白濁を見つめ、ため息をつく。
龍之介に抱かれるようになってから、むしろ自慰の回数が増えた気がするのは気のせいだろうか?
坂を転がり落ちるように淫らになっていく身体が、はじめは怖くてたまらなかった。
嫌悪感に落ち込んだりもしたが、今ではもうあきらめている。
龍之介に愛されたがゆえだと思えばなおさら、嵐のような愛しさに襲われて、甘く切ない胸の痛みに人知れずのたうち回る日々を過ごしていた。
昼間から自慰にふける罪悪感にかられながらも、再び勢いの衰えない雄を握り込み、乱暴に擦りあげる。
龍之介の濡れた声や瞳が、目に……耳に焼きついて、離れなかった。
肌が細かくざわめいて、自分では触れることの叶わない奥が、キュッと疼く。
……龍之介が足りない。
これではまるで発情した雌猫のようだ。
鏡の中の自分は、ほんのわずかにやつれ、憔悴し、どこか夢見るように気怠げに映る。
こんな姿はさらせない。
知っているのは、おまえだけでいい……。
目を閉じて、脳内で龍之介の姿を像に結ぶ。
『……オレが欲しいか?』
濃密な夜の闇を溶かす、毒のように甘い声。
『……なら、自分で脚を開いて、誘ってみな』
羞恥を煽り、辱め、魂の奥深くを犯すように、身体の隅々まで龍之介の色に染められていく。
会いたい……。
おまえに、会いたい。
口に出せば、終わる。
きっともう、我慢などできない。
だから、耐える。
一人で立てない男を、あの男はけして愛さないだろうから。
おまえに相応しくありたい。
……誇れる自分でいたい。
だから、愛しさで壊れる前に帰ってきてくれと、ひたすらに願った。
「……っ、はぁ……」
二度目の熱を吐き出すと、ベッドに沈み込み、ほんのわずかに漂う龍之介の残り香を深く吸い込み、目を閉じた。
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