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閃き(龍之介side)
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枕をクッションにして、ベッドヘッドにもたれかかると、すかさず下腹部のホックを外され、見せつけるようにジッパーをゆっくりと下げられた。
時折投げかけられる視線の艶っぽさが闘志を剥き出しにした際の士郎を思い起こさせ、急速に中心に熱が集まっていく。
イッたせいか、アキラの瞳は濡れてキラキラと宝石のように輝いていた。
頬にかかる長めのクセのない黒髪が、白い肌に物憂げな影を落としている。
未だ閉ざされた紅く色づく薄い唇をこじ開けて、無理やり己の雄をねじ込みたい衝動をこらえながら、相手の出方を楽しみに待った。
いきなり直には触れてこず、まずは下着越しに、丸みをやわやわと手の平で転がされた。
会陰の辺りも、マッサージするように押したり撫でたりを繰り返す。
なかなか丁寧な触れ方だ。
周囲の血行をよくしてやると、肝心な部分の感度も上がる。
下準備にどれだけ手をかけたかで、料理の仕上がりが大きく変わるように、深い到達点に導きたければそれなりの手順が要るとわかっているのだろう。
だが一方で、アキラ自身は少しもこうした触れ合いを楽しんではいないのだと、冷えた身体が語っていた。
仕事としてプロに徹していると言えば聞こえはいいが、まるですべては目の前で連れ去られた弟に対する懺悔のようで、もっと楽に生きろと言いたくなる。
「……ん」
本来、惚れた相手以外には勃たないが、逆を言えば惚れた相手を連想するだけで、他の誰が相手でも容易に感じたフリを装うことができた。
自分の濡れた声は媚薬の役割を果たすと気づいたのは、声変わりしてすぐの頃だった。
昂ぶる相手を声だけで言葉責めにし、焦らしながらイカせるのは、時に欲望を吐き出す以上に燃える作業だ。
「……焦らすな。早くその舌で、イカせてくれ……」
吐息混じりの声を吐けば、アキラの吐息も熱くなる。
隠しても無駄だ。
野生児並みの生活をしていたせいか、昔から耳だけは獣並みによく利いた。
追い詰めているはずなのに、追い詰められたような表情をするアキラに、自ら下着を脱ぎ落とすと、芯を持ち始めた己の雄を数回指先で扱き、見せつけた。
「……おまえも脱げよ。濡れて、気持ち悪ィだろ?」
嬲るように、アキラの下肢をアゴでしゃくった。
イカされた跡を色濃く残す場所をさらすのは、屈辱だろう。
かといって、自ら脱いだ相手の前でためらえば、それこそ負けを認めることになる。
怒りに燃える瞳が睨みつけてくるのを、ゾクゾクしながら見守った。
やがて、膝立ちになったアキラの長い指先が恥骨の辺りにかかり、ゆっくりと布に絡み、落とされていく。
プルン、と飛び出した理想的な形状を描く雄は、自らの白濁を纏い、淫らに濡れていた。
頬にかかる黒髪をかき上げたアキラは、まるで高級雑誌を飾るモデルのようだ。
屈辱を噛み締めながらも、踏み越えていこうとする高貴な意志が、淫らなはずの情景を芸術の域にまで昇華していた。
その瞬間、ある閃きが脳裏を過った。
悪くない思いつきだ。
アキラの目的とも合致する。
まぁ、それはそれとして、今は目の前の極上の獲物をおいしく頂くとしよう。
耳の後ろの薄い皮膚をくすぐってやれば、アキラの吐息が再び跳ねた。
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