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甘え(龍之介side)
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「……痛ェな、オイ」
「……っ」
廊下の曲がり角で、勢いよく誰かとぶつかったと思ったら、アキラだった。
「……オマエかよ。ったく、あんま飛ばして歩くなよ」
自分のことは丸っと棚に上げてボヤき、そのまま行き過ぎようとすしたが、再度行く手を塞がれた。
「……ンだよ?」
こっちは忙しいんだ、早くどけと、ガンを飛ばす。
「イライラしてるな。溜まってるのなら、抜いてやろうか?」
「……アァ?」
無表情な顔で何を言い出すのかと思えば、どうかしている。
「……食い足りねェなら、他当たれ。な?」
肩を押して、通り抜けようとしたが、より一層距離を詰めてきた。
ふわりとシャンプーの良い香りがして、不意に士郎と風呂に入った時の記憶が呼び起こされ、落ち着かない気分になる。
戦闘員は基本、日常から香料の類は使わない。
だが、色を武器とするアキラにとっては、香りも戦略的な攻めの道具なのかもしれないと思い直す。
「……オラ、あンま、近寄ンな。間違って勃っちまったら、どーすンだ」
耳元に唇を寄せて低くささやけば容易に引くと、高をくくっていた。
だが、ビクリと反応はするものの、踏み止まり、間近で見つめ返してくる。
何やら必死な瞳に、ため息をつく。
……これは、アレだ。
アキラなりの、精一杯の甘えなのだと気づく。
人馴れない孤高な山猫が、威嚇しながらも恐る恐る、すり寄ってきている。
甘えろと言ったのは、他ならない自分だ。
責任は取ってやらなければならないだろう。
ニヤリと笑って、壁に手を突いた。
触れるほど縮まった距離に、アキラが毛を逆立てた猫のように、表情を強張らせた。
「……どーした? ヌイてくれンじゃねェのかよ?」
悔しげに煌めく瞳が、濡れた声に反応して、甘く溶ける。
「深くヤんなくていいぜ。飴玉しゃぶるみたく、やさしく……な?」
屈辱と溶けた表情の落差が、ひどくそそる。
高潔な魂と淫らな身体の、不均衡。
痛々しくて、健気で、腰を落としたアキラの髪や首筋を、触れるか触れないかの優しい動きで、くすぐってやった。
まるで、あやされた猫のように、ほんのわずかだが、気持ちよさそうな顔をする。
ピチャピチャと丁寧に、滑らかな舌が動く。
「……ン、その調子だ……」
甘く笑ってやれば、濡れた瞳がすがるように見つめ、必死に吸いついてくる。
誰が通りかかるかもわからない廊下で、長く時間はかけられない。
「……そろそろ、イク。……どこに欲しい?」
このままくれと、深く咥え込まれた。
「……ン」
笑って、放つ。
「……く…っ」
散らされた花のような可憐な表情に、思わず目を奪われた。
「……甘い」
呆れた。
「……それ、狙ってやってンのかよ?」
「……っ」
「ン? オマエもカンジてンじゃね?」
昂ぶったモノを指摘してやると、ひどく驚いた顔をした。
「……立てよ。礼に、抜いてやる」
腕を引いて抱き寄せると、手早く取り出したモノを、扱いてやった。
はじめは暴れていたアキラだが、やがて諦めたように大人しくなり、素直に感じ始めた。
「……っ、ぁ……っ」
なまじ声を殺されると、喘がせたくなるのが男の性だ。
「……もう手ン中、グチャグチャだぜ? オマエの、スゲェ濡れンのな……」
声で煽ってやると、抱きしめた身体の震えが止まらなくなる。
首筋に唇を寄せて、体温を測る。
火照った肌が汗ばみ、甘い柑橘類の香りが色濃く香った。
「……っ、んぁ……っ、も…っ、ん…っく…っ」
一際高く啼いて、アキラが達した。
手の平の白濁を見せつけると、溶けた表情のまま、舐めてくる。
「……どーした、ンな、我を忘れちまうほど、よかったか?」
「……っ」
「顔、紅ェ」
「……!?」
あんま、かわいい顔すんなと、苦笑した。
「ひん剥いて、ヤッちまいたくなンだろ」
「……っ、恋人以外、いらないんだろ」
「社交辞令だろーがよ。いちいち真面目に取んな、バカが」
去り際に、誰にもいうなよ、とヒラヒラと手を振った。
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