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煽られて(士郎side)
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克己とジェイがヘアメイクをする時間を利用して、龍之介が虎に会わせろと言い出した。
断って下手に単独で接触されるよりはマシかと、渋々案内を買って出た。
「いいか、煌牙は手術を控えた身だ。生意気な言動もあるだろうが、あまり興奮させるなよ」
「……ああ」
龍之介が早く開けろと、アゴでしゃくる。
ため息の中、カードを通し、コードを打ち込んだ。
認証の青いランプが灯り、ドアが左右に開く。
「……よぅ。具合はどうだ?」
ベッドに半身を起こしたままPCと向き合っていた煌牙が、龍之介を見て、わずかに目を眇めた。
「こりゃ確かに、生意気そうなツラしてやがンな」
「……テメェ、何様だ」
「何様って、ココの影のオーナー様だ。モンクあっか?」
ベッドサイドの椅子にドカッと腰を下ろすなり、靴を履いたままの足を遠慮なくベッドの上に投げ出した。
カッと煌牙の目が光る。
当然、払い退けるものと思ったが、煌牙は龍之介を睨みつけたまま微動だにしなかった。
片や龍之介は余裕の笑みを浮かべたまま、面白そうに煌牙を見下ろしている。
煌牙の額に、薄っすらと汗が浮かんだ。
入り込めない空気感。
拳一つ交えてはいないが、何らかの応酬が二人の間で交わされ、やがて静かに終結するのがわかった。
「……コイツに手ェ出すな」
龍之介の腕が、腰に巻きついてくる。
「それだけ守れンなら、後は好きにしてくれてかまわねェ」
「……そいつにその手の興味はねぇ。てか、負けを認めたわけじゃねぇぞ。……この身体じゃ、さすがに勝負になんねぇ。それくらいはわかる。いったん引いて、出直すだけだ」
「……ああ。回復したら、いつでも相手してやるよ」
ギリッと歯噛みした煌牙の視線が鋭くなり、目の前の龍之介の足をひねり上げようと動く。
その腕を取った龍之介が、煌牙の首筋に手をかけて、布団の上に引き倒した。
まるで大人と子供のケンカだ。
遊ぶようにかわし、敵の動きを利用しながら、最小限の労力で、完全に身動きを封じている。
極限まで無駄を省いた動きは、見惚れるほどに流麗で美しい。
惚けていると、ニヤリと笑われ、慌てて表情を引き締めた。
「……惚れ直したろ?」
煌牙を解放した龍之介が、再び距離を詰めてきた。
「……っ、調子に乗るな」
「首筋が紅いぜ?」
「……暑いだけだ」
「へェ……、オマエは暑いと、コッチも元気になるワケか」
握られ、ギョッとした。
「離せ…っ」
形をなぞられ、グッと揉み込まれれば、昨夜の熱も冷めきらない雄は、完全に勃ち上がってしまう。
「……っ」
壁に押しつけられ、動けなくなる。
耳朶を食まれ、息を吹きかけられると、膝がカクンと折れた。
震える足で何とか立っていると、驚いた顔をした煌牙と目があった。
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