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もどかしいほど、愛しくて(龍之介side)
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「座れ。乾かしてやる」
ドライヤーに伸ばされた手を、上から強引に押さえつけた。
「……これ以上焦らすなら、問答無用で襲いかかるぞ」
火照った肌は旨そうに上気して、ただでさえギリギリでこらえている飢えに拍車をかける。
「……仕方のないやつだ」
士郎がため息をついて、振り返った。
伏目がちな視線に、たまらなく煽られる。
自分を見ろと、強引に奪いたい欲が膨れ上がり、舌打ちをした。
互いの間にあるバスタオルの存在さえもどかしくて、士郎の腰に巻かれた布地を強引に奪い取った。
「……っ」
士郎が抗議の視線を送ってきたが、当然無視だ。
すでに芯を持ち始めた雄が飛び出し、むしゃぶりつき、食らい尽くしたい衝動と、欲情する表情を逃したくない思いの狭間で、揺れた。
「……ン…」
「……ぁ…っ」
互いの勃ち上がった雄がこすれ、思わずこぼれた声の甘さに、ため息をつく。
他の誰と触れ合っても、こんな風にはならない。
世界が甘く歪み、落ちてくるかのような。
目の前の男さえいれば、それで世界は完結するのではないかと、本気で思う。
誰にも邪魔されたくない。
誰にもこんな溶けた瞳は見せたくない。
目眩がするほどの独占欲と愛しさに、恐怖を覚えるほどだ。
誘惑の方法など百も知っているくせに、触れ方さえ忘れてしまったかのように、ただだ乱暴に手を伸ばし、抱きしめ、唇を奪う。
絡み合う舌の甘さに、これが欲しかったのだと、心の底から歓喜が突き上げてきた。
痺れて、溶けて、堕ちていく……。
その果てに融合し、再構築され、新たな自分に生まれ変わっていく。
つながらなくても、こうして静かに抱き合っているだけで満たされる想いがあることを、士郎と出会うまでは知らずにいた。
ようやく解いた口づけの合間に、息をつく。
すべてを包み込むような深い瞳に、らしくもなく胸が詰まった。
士郎もまたこの感覚を共有しているのだと、言葉にしなくても理解できてしまう。
欲しい、待てないと言ったのは自分なのに、欲望を吐き出して終わってしまうのが惜しくて、もう少しだけだと甘えるように抱きしめる腕に力を込めた。
同じ力で強く抱き返される。
「……離したくねェなァ」
明日も明後日も、その先も。
こうして抱き合ったまま過ごせたらと、ありえない妄想に酔う。
自分がひどく弱くなってしまったようで怖くなったが、大丈夫だと抱き返してくる力の強さに、苦笑した。
いつだって、この男は自分を包む。
大河のような包容力で……哀しくなるほどのやさしさで。
おまえの望む道を行けと、力強く背中を押してくれる。
「……はァ。ンとに、オマエには勝てる気がしねェ」
「珍しく弱気だな」
「疲れてンだよ。……けどまァ、充分癒してもらったし、お返ししねェとフェアじゃねェよなァ」
「……っ」
双丘の狭間を指でなぞり、
「……たっぷりカンジさせてやるよ」
低く甘い声で煽れば、声の響きに震え、恥じらいながらも、負けじと視線を重ねてくる。
「……望むところだ」
毅然と言い放つ様が鮮やかで、ゾクゾクした。
乱暴にベッドに突き飛ばすと、逃がさないとばかりに上気する愛しい男の身体にのしかった。
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