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変化(士郎side)
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「……おい」
不機嫌な呼びかけに、顔を上げた。
「……腹減った」
ふてくされたように、煌牙が明後日の方を向きながら、つぶやく。
驚いて見つめれば、みるみるうちに、額に青筋が浮いた。
「……てめぇのマズイ飯を食ってやるっつってんだ。さっさと用意しやがれっ」
「わかった。……すぐに作る」
苦笑して立ち上がろうとしたが、うまく身体を支えられずに、よろめいた。
自然と伸びてきた手に支えられ、今度こそマジマジと見つめてしまう。
「……んだよっ、見んなっ」
頬が紅い……?
目も落ち着きなく、泳いでいる。
いったい何があった?
まさか、昨夜自分が寝落ちた後、龍之介から何かされた……もしくは、言われたとか?
もはや嫌な予感しかしなかった。
「……龍之介から何を聞いたのかは知らないが、あまり真に受けるなよ」
「……チッ。よけいな気回してんじゃねーよ」
再び布団を被ると、ふて寝を決め込んでしまう。
ため息をつきながらも、初めて煌牙が見せた人らしい表情に、思わず口元が緩んだ。
少しは添い寝作戦が効いているのだろうか?
だったらいいのだが。
部屋に戻り熱いシャワーを浴びると、早朝トレーニングは体力の回復する夕方に回すことにして、真っ直ぐ食堂に向かった。
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