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闇に差す光(士郎side)
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怪しいローションのせいか、罪悪感のせいか、さんざんに乱れて堕ちた夜半、重い身体を引きずりながら煌牙の様子を見に戻ると、ルイを廊下に連れ出した。
事の経緯を語ると、ルイが頷いた。
「悪くない判断だ。現状、それ以上の手はないだろう」
龍之介への信頼が透けて見えた。
自分はそこまで思い切れないと、唇を噛む。
相手が相手だ、何かあったらと、気が気ではなかった。
ここのところ情けないほど、後悔のしっ放しだ。
「決めたなら迷うな。惚れた男を信じてやれ。危険な時ほど嬉々として高く飛ぶ」
おまえの恋人はそういう男だろう、とルイが笑う。
「……ああ」
「ひどい顔色だな、おい。倒れる前に、もう一眠りしておけよ」
強引にベッドに押し込まれた。
ベッドサイドの椅子に腰掛け、長い手脚を組むと、ルイも黙って目を閉じた。
隣で眠る煌牙は相変わらず、強烈な冷気を放っていた。
今までのこちらの存在を許容する空気感は消え去り、完全なる拒絶にキリキリと胸が痛む。
触れられたくない傷に触れてしまった罰だ。
任せろと、龍之介が震える手を引いた。
迷うなと、ルイが背中を支えてくれる。
深い闇に差す一筋の光を信じて。
折れるな。
踏み留まれと、必死に自分に言いきかせた。
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