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獣(士郎side)
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「おまえの……」
『オレの?』
「……っ、熱が……欲しい……っ」
『熱、なァ?』
「……っ」
覚悟を決め、局部の名称を口にした瞬間、確実に何かを失った気がして、絶え入るようにうつむき、目を伏せた。
『……オレのが、好きか?』
落ち込む間もなく、クイッとアゴを取られ、再び視線が交わった。
もはや耐えられないと、
「……っ、好き……だ……っ」
半ばヤケになって、叫んだ。
『……だろうなァ』
楽しげに喉の奥でクツクツと笑われた。
『いっつも、スッゲェ旨そうに食ってるもんなァ……』
「いい加減にしろ……っ」
自分は折れた。
折れに折れた末に、ギリギリの場所まで、さらしている。
これ以上、いったい何を奪うつもりだ……?
ギリッと血が滲むほどに唇を噛み締め、叩きつけるように睨みつければ、
『……その目が、たまンねェ』
この夜はじめて龍之介の瞳から、余裕が消えた。
飢えた獣が牙を剥く。
『……ンとに、奪い尽くして、何度抱き潰しても、全然足りる気がしねェ……』
飢えてンのはコッチの方だと、荒々しく穿たれ、仰け反り、喉元のやわらかい皮膚をさらした。
「ぅあ……っ」
悲鳴すら逃がさないと言いたげに、唇を塞がれ、蹂躙される。
意識のどこかで、すべては夢だと悟りながら、こんな夢ならいっそ永遠に醒めなければいい……。
そう思いながら、束の間の熱に、自ら進んで溺れていった。
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