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秘密(龍之介side)
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「なに、ニヤニヤしてンだよ?」
マコトが肩越しに、スマートフォンをのぞき込んでくる。
「ンでもねーよ」
誰が見せるかと即座に画面をオフにすると、素知らぬ風を装った。
「まーた、シローのヤラシイ動画でも隠し撮りして、こっそり楽しんでたんじゃねーの?」
さすがは十年来のつき合いだ。
精神構造も行動の核になるものも、すべて熟知されている。
今さら秘密などあってないようなものかと、苦笑した。
「アイツにさえバレなきゃ、誰の腹も痛まねェ」
だから……な?
腕を背後に伸ばして、マコトの感じやすいうなじに手を伸ばした。
そっとさすりながら、
「……ココだけの秘密で頼む」
甘く濡れた声で、ささやいた。
「……っ」
背中に感じる体温が、面白いように上がる。
「ずっりぃ……ん……っ」
「……ンだよ、ユージンに抱かれまくってンじゃねーの?」
あまりにも容易く昂ぶる身体に呆れた。
「……っ、ちゃんとヤッてる! つーか、その声、ヤメろって……。マジ、ヤバイから……っ」
マコトが慌てて距離を取ると、しゃがみ込んだ。
顔を真っ紅に染めながら、恨みがましげに睨みつけてくる。
まさしく、やんごとなき事態だ。
「……オマエ、オレの声に反応し過ぎだろ。いい加減、卒業しろって」
紅くなってフルフルと震えるマコトは、小動物チックでかわいくはあったが、士郎に対する時のように、どこまでも追い詰めたい欲は生まれない。
「できるモンなら、やってる! つーかオレは、ちゃんとユージンが好きだし、リューとシローのことも、今じゃ心底応援してんだよっ」
だからこれは、単にリューの声の威力がハンパないだけだと悔しげに言い募る。
「てかリューこそ、自分の声の威力を知れってんだ! 傍迷惑に声濡らすなっ。甘く囁くなっ。無駄にスキンシップ取ってくんじゃねぇ!!」
「……そりゃ、悪かったなァ」
スキンシップ過多は、もはや癖のようなものだ。
声は物事を優位に進めるのに役立つため、ついつい無意識にコントロールしてしまう。
それが幼馴染を震えるほど追いつめるというのなら、少しは反省すべきなのかもしれないと匂わせると、
「え……? あ……、ごめん……」
途端に、マコトが勢いを失った。
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